海外便 from アメリカ

松下 順彦DC・LCP・DPhCS



カイロとスポーツ④(126号掲載)

今年、一年遅れで催された東京オリンピック・パラリンピックでは、前回のリオデジャネイロに引き続き2回連続で、北海道の後藤雅博DC,DACNBがカイロプラクターとして大会をサポートする医療チームの一員として活躍されました。

リオの大会では、米国選手団帯同医療チームの長をカイロプラクターが務めるなど、アスリートの体調管理、怪我の治療、怪我の予防、パフォーマンスの向上などにカイロプラクティックの優位性が認められてきています。

今回はアスリートの中からプロゴルファーを選んで、その体験談や逸話などを紹介します。

私のゲームにおいてカイロプラクティックは本当に有益だったと私は信じている。体がいかにバランスを失い、そしてそれをカイロプラクティックが救ってくれるのを私は実感した。フレデリック フンク ゴルフ PGA8勝

カイロプラクティック ケアは、私のスポーツ パフォーマンスと予防医学戦略の構成部品になっている。ノタ ベガイ Ⅲ ゴルフ PGA4勝

私の経験からわかった一つのことは、私がカイロプラクターに行き続ける必要性だ。カイロプラクティック ケアを受け続けることは私を負傷から守ってくれる。パドレイグ ハリントン ゴルフ PGA6勝 欧州ツアー15勝 日本1勝

また、2000年マスターズ優勝、PGA34勝のビジャイ シング、2003年マスターズ優勝、PGA8勝のマイケル リチャード ウイアー、PGA13勝、日本でも1勝しているデビッド ロバート デュバルといった超一流のプロゴルファーたちもカイロプラクティックを健康管理に利用していることで知られています。

日本のJLPGAプロゴルファーの中島真弓選手は、米国女子プロツアーに参戦のため、渡米中に紹介されて私のクリニックでケアを受けた後に日本に戻られ、2007年トーシン・アセットレディースカップで勝利しプロ初優勝を飾られました。2008年の廣済堂レディスゴルフカップで2位、2012年のANAプリンセスカップ優勝など活躍されています。

JLPGA10勝のレジェンドである藤井かすみ選手は、今年の第3回USシニア女子オープン大会に、出場120名中の僅か2名の日本人選手の1人として参加されました。それに先立ち一週間前に渡米してシカゴに滞在され、私のクリニックで5回ケアを受け、体を整えてから大会会場のあるコネチカット州に向かわれました。初診時は腰と左膝が10段階で8の激痛でしたが軽減し、最終日を上位3分の1の好成績で無事に乗り切る活躍をみせられました。

このコラムを読んでいるカイロプラクターの諸先生方も、私と同じようにアスリートのケアに携わった経験があり、カイロプラクティックの真価を体験されたことがおありのことと思います。

カイロプラクティックは、単に痛みなどの症状を軽減させる対症療法ではありません。

その人の生来持っている能力が存分に発揮できるように、機能が余すところなく働くように、体の統制の中心である神経系の妨害を取り除くために、脊椎サブラクセーションを素手でアジャストするものです。

その結果として恒常性が機能し、怪我などの損傷も順調に回復し、痛みなども軽減・消失し、体調改善、運動能力も最大に発揮できる体に戻るのです。

腰痛にカイロプラクティックが有効といった類の研究だけでなく、身体機能改善を裏付ける研究結果も報告されています。

カイロプラクティックのケアは2週間で最大16.7%運動パフォーマンスを向上させる。サブラクセーション フリーのアスリートは、反応が早い、統制が優れている、精密な動作の実行において正確性と精度が良い、など総合すると全体として優れたアスリートである。The Journal of Chiropractic Research and Clinical Investigation, 1991

何故、アスリートたちがカイロプラクティックを選ぶのか、その理由がよく分かりますね。


カイロとスポーツ③(125号掲載)

カイロプラクティックが人体の機能の調整を司る神経系の障害となるサブラクセーションを取り除くことで、身体機能が100%働き、持てる能力をフルに発揮できる健康な状態を回復・維持する一助となることは、今日ではプロや国際レベルのアスリートたちの間では常識となっています。

今回も、超一流のアスリートたちのカイロプラクティックに対するコメントを紹介します。

サブラクセーションは貴方の脊柱と神経系を駄目にすることができる。これは貴方のスピードとスタミナを損なう。私は全ての人たちに心からカイロプラクティックのサービスを進めます。マイク タイソン ボクシング ヘビー級チャンピオン

カイロプラクティックは私の鍛錬と日々の生活における基礎である。何故なら健康は私の最も大切な資産だから。リガン マチャド  ブラジリアン柔術 8段師範

カイロプラクティックはパフォーマンスを自然に高めることを助け、痛みがないことでアスリートが勝利することを促してくれる。トーニャ ナイト ボディービル ミス インターナショナル

PGAツアーの期間中も期間外も、定期的なアジャストメントメントは私の所定の日課の一部であり、私の身体機能を最善に保ってくれる。ザック ジョンソン ゴルフ 2007年マスターズ優勝 PGA12勝

私はカイロプラクティックが、私を柔軟で無痛の状態に保ってくれ、それによって私は最高レベルの能力発揮ができることを発見しました。カイロプラクティックの恩恵は、私のゴルフスイングの向上、私の体への緊張やストレスを軽減、そして私をより生産的なゴルファーにしてくれることです。それはLPGAツアーでとてもよく起こる、他の関連するケガの予防の助けになっていると私は認識しています。バーバラ ブンコウスキー LPGA プロゴルファー

2019年のUSオープン優勝のゲーリー ウッドランドは、2020年に腰股関節部を傷めてしまい、痛みのために戦列を離れざるを得ませんでした。そこで彼はカイロプラクティックを回復とコンディショニング計画に導入しました。PGAツアーに復帰しホールアウト後のインタビューで彼はこう応えています。

「私は痛みが無くなって約1ヶ月になり、良い調子だと感じ始めています。私のスピードも戻り、これまで長い間打てなかったような打球も、打てるようになりました。」

このように、ボクシング、格闘技、ボディビル、ゴルフ等のトップ選手がカイロプラクティックの真価を公言しています。

また、様々な医学誌に掲載された研究論文でも、カイロプラクティックのアスリートに有用な効果があることを証明しています。

カイロプラクティックを受けていない群の柔道選手と比べ、カイロプラクティックを受けた群の柔道選手は握力の顕著な向上が見られた。 Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics

一回のカイロプラクティックのセッションで、エリートのテコンドー選手の筋力が向上した。 European Journal of Applied Physiology

是非、日本のアスリートにもカイロプラクティックを受けてもらいたいですね。


カイロとスポーツ②(124号掲載)

カイロプラクティックが、人体の機能の調整を司る神経系の障害となるサブラクセーションを取り除くことで、身体機能が100%働き、持てる能力をフルに発揮できる健康な状態を回復・維持する一助となることは、今日ではプロや国際レベルのアスリートたちの間では常識となっています。

今回も、超一流のアスリートたちのカイロプラクティックに対するコメントを紹介します。

フルタイムの競技者であるということは、ケガのリスクが増えることを意味する。このレベル(オリンピック)の競技会では、我々はケガの回復を含め全身のケアを確実にする必要がある。スポーツ医学は全てのダメージを最小限にする上で重要な役割を果たしている、それで私はカイロプラクターに定期的に通っている。ジャスティン ガトリン

カイロプラクティック ケアは、私を最高の状態に保つ上で重要な位置を占めており、それによって私は最高水準の競技が出来るのです。ペルディタ フェリシエン

カイロプラクティックの利益がなかったなら、私は今日まで(メジャーリガーとして)活躍し続けることは出来なかったと思う。ジョー モーガン

カイロプラクティックを受けて来なかったら、私はシーズンを通して継続してプレーすることは出来なかっただろう。ジョニー デーモン

脊柱は生命線だ。多くの人たちがカイロプラクターのところに行くべきだが、しかし彼らはそれを知らない。ジャック ラレーン

カイロプラクティックは私が負傷しないでいられることを助けてくれる。それは私が競技者として活躍できる秘訣の半分を占めている。リー ラブラダ

私は十代の頃からカイロプラクティックを受けています。それは私がプロのアスリートになり6つの世界チャンピオンを獲得することを導き、私の人生を変えています。ケン シャムロック

カイロプラクティックなしには私はチャンピオンになれなかったと思う。パール パディン

カイロプラクティック ケアは私のトレーニング プログラムにおいて必須のものでした。キャシー ターナー

私はずっとカイロプラクティックの支持者です。問題が起こった場合、ドクター オブ カイロプラクティックの所にいくまで解決しないから。デレック パーラ

私は少なくとも週に2回のカイロプラクティックを利用することを基本として据えるように明確に努めてきました。それが、私がより高いレベルで競技する助けとなっていると断言できます。エミット スミス

私は十四歳からカイロプラクティックを受け続けており、それが、私がNFL(米プロ フットボール リーグ)に入ることが出来た唯一の理由です。スティーブ ウェザーフォード

ドクター バン バイゼン(カイロプラクター)は私のチームの重要なメンバーであり、そして彼のケア(カイロプラクティック)に感謝します。 私の長年の夢であったマスターズ トーナメント優勝が実現したのですから。ジョーダン スピース

この様に、陸上、野球、ボディビル、格闘技、ボクシング、アイス スケート、アメリカンフットボール、ゴルフ等のトップ選手がカイロプラクティックの真価を公言しています。


カイロとスポーツ①(123号掲載)

カイロプラクティックが人体の機能の調整を司る神経系の障害となるサブラクセーションを取り除くことで、身体機能が100%働き、持てる能力をフルに発揮できる健康な状態を回復・維持する一助となることは、今日ではプロや国際レベルのアスリートたちの間では常識となっています。

運動生理学者のセアン アトキンス博士は「少なく見積もっても世界クラスのアスリートの90%以上が、パフォーマンス向上や怪我の予防の目的で定期的にカイロプラクティックを受けている」と述べています。

今回は、超一流のアスリートたちのカイロプラクティックに対するコメントを紹介します。

【マイケル ジョーダン】

私はカイロプラクターに通い始めるまで、どれほどまで向上するのか知りませんでした。 カイロプラクティックを受けだして以来、私は精神的にも肉体的にも跳び踊るほどに向上しました。

【タイガー ウッズ】

思い出せる限りの昔から私はカイロプラクターに通い続けています。それは私にとってスイングの練習をするのと同じ位に、私のトレーニングにおいて重要なのです。

【ウサイン ボルト】

私は常に金メダルを勝ち得ている訳ではない、しかし私が勝つ時は、私はカイロプラクティックのアジャスト(矯正)を先ず受けている。健康を維持しよう、私の友よ。

【ビーナス ウイリアムズ】

カイロプラクティックは、私が試合で戦い続けるのに必要な柔軟性を与えてくれる。

【アーノルド シュワルツェネッガー】

ボディービルダーやフィットネス系の人々は、健康や体形を維持する為に、とても頻繁にカイロプラクティックを利用しています。 怪我をする前にカイロプラクターに通うことがより良いことを私は知っています。 私たち、世界のフィットネスと世界のカイロプラクターはパーフェクトなチームです。

【イベンダー ホリフィールド】

私はリングに上がる前にアジャストメント(カイロの調整)を受けなくてはいけない。 私はカイロプラクティックを信じている。 私は週3回カイロプラクターに通うことで私の競技能力の助けになることを発見したのだ。

【トム ブレイディ】

カイロプラクティックは貴方を凄く改善させてくれるよ。 私はクリニックを歩いて出る時、私自身の背が3インチは高くなったように感じる。 私はカイロプラクターに通っている限り、ゲームで1歩前に進んでいるように感じるんだ。

【ダン オブライエン】

カイロプラクティックはランニングにとって必須といえるものである。 もし私がその価値の比率を付けるなら、定期的なカイロプラクティックによって、競技能力が8~10%向上しているということができるだろう。

【ジョー モンタナ】

私はカイロプラクターに通っており、彼は本当によく私を助けてくれました。 カイロプラクティックは私の試合の大きな部分を占めています。

【ジェリー ライス】

私は試合に出場し続けるために様々なことをしてきましたが、私がカイロプラクターに定期的に通うことが何よりも最も重要なことでした。

この様に、バスケットボール、ゴルフ、陸上、テニス、ボディビル、ボクシング、アメリカンフットボール等のトップ選手がカイロプラクティックの真価を公言しています。


カイロと免疫機能(122号掲載)

カイロプラクティックが、人体の免疫機能の正常化に有益であることは、以前から知られています。国際カイロプラクターズ協会(ICA)は、そのWebサイト上に関連情報を掲載しています。

その一方で、米国カイロプラクティック協会(ACA)や世界カイロプラクティック連盟(WFC)など、ミキサー系の団体は「カイロプラクティックが免疫系に有効とする信頼に足る研究は存在しない」という旨の発言をし、その西洋医学偏向かつ反カイロプラクティック的な志向を鮮明にしています。

特にWFCはWHO(世界保健機構)の認定機関ですが、そのWHOが資金提供を受けている中国や、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、製薬企業等の強い影響を受けており、米国がWHOへの資金提供を止め、WHOから撤退する動きを見せるなど、世界を代表する機関としての資質(中立性)が根底から疑問視される事態に陥っています。

同様に、WFCやACA等の団体も、カイロプラクティック専門職を内部分裂から崩壊へと導き、オステオパシー専門職が辿った「西洋医学同化」の道へ進ませるために、製薬企業団体から様々な方法で、経済的影響が与えられていることを危惧するカイロプラクターも少なくありません。

フォーチュン500という世界ランクTOP500の企業のリストから、上位10の製薬会社を選別し、残りの490社と比較すると、製薬企業10社の経済規模が、他の490社の合計より上回るという巨大な資金力を誇る製薬企業の影響力は、政府や政治家、省庁(CDCなど)や役人、大学や研究機関、医師会・専門医ボード・医学部教授や医師、医学誌・科学誌および編集部などにも波及しています。

その結果、根拠に基づく医療の根幹となる根拠(エビデンス)が、製薬企業や医療機器企業などの経済的影響力によってバイアスが生じ、もはや信用するに値しない状況になっていると、複数の医学誌・科学誌の編集長らによって指摘されています。

一言で言えば、「論文を書く医師も、研究を行う施設である大学や研究機関も、論文を審査するピアレビューの専門医も、論文を選択し掲載する医学誌の編集部も、製薬企業からの経済的支援を受けており、製薬企業の思い通りの論文が医学誌に掲載されて根拠となる仕組みが作られた」ということです。

また、その影響力はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアやインターネット上のYoutube、Facebook等のSNSにも顕著に表れており、勇気ある医師・専門医・免疫学教授といった専門家の発言や指摘が「CDCの指針と一致しない」という様な理屈で削除されたり、フェイクニュースという表示が付けられる一方で、医師でもなく医学的学位を持たないビルゲイツ氏の発言は、大々的に取り上げられています。

彼はワクチン接種を推進していますが、その彼がある種のコロナウイルスの特許を取得していることと、複数のワクチン製造会社の大株主であり、製薬企業側の人間であること、そして潤沢な資金を持ち、CDCやWHOなどにも大きな影響力を持つことが指摘され危惧されています。

「CDCそのものも多くのワクチン特許を取得しており、中立性を保っているとは言えない」とロバートケネディJr弁護士も指摘しており、タバコの有害性など過去に多くの誤りを犯していることからCDCの判断が常に正しいとは言えないのが現実にも関わらず、言論統制のようなものが布かれているのがアメリカの現状です。

EBMの根拠も崩壊し、WHOやCDCなども信頼できず、マスコミやネット上の情報も操作・統制されている今日、カイロプラクティックが免疫機能に有益である情報を一般の人が知る機会が制限されています。

我々カイロプラクターがICAの情報をもっと発信していく必要があるのではないでしょうか。


カイロの倫理とエゴ(121号掲載)

カイロプラクティックという言葉は、125年前には存在していませんでした。

1895年の9月18日に米国アイオワ州ダベンポートのライアンビルの4階の一室で、磁気治療家のDr.ダニエル・デービッド・パーマー(以下、D.D.)が、17年間難聴であったハービー・リラード氏に、「この後方に突出した椎骨を押し戻したら神経の機能が回復して難聴が治るに違いない」という確信に基づいて行ったアジャストメントによって創始された新しい医療システムに、その創始者が付けた名称こそがカイロプラクティックです。

遵って、カイロプラクティックという名称とその定義はD.D.によって定められ、誰もその定義を書き換える権利はなく、何人もカイロプラクティックの名の下に羊頭狗肉の如く、定義に合わない方法や他の療法を行うことは許されないことです。

今日、我々カイロプラクターが胸を張ってカイロプラクティックを業とすることが出来るのは、創始者のD.D.のお陰だけではありません。

創成期の頃にはD.D.もB.J.(D.D.の息子)も無免許医療行為などで起訴され、同様に日本人初のDCである森久保重太郎DC,Ph.Dや、多くのパイオニアであったDCたちが、カイロプラクティックの効果と盛業に嫉妬した医師らによって訴訟を起こされて戦ったのです。

最も多く投獄されたカイロプラクターとして知られているのは、リーバーDCです。

リーバーDCは、1928年にパーマースクール(現パーマー大学)を卒業しオハイオ州で開業しましたが、当時のオハイオ州にはカイロプラクティックの免許があるものの「制限付き医師」という位置付けで西洋医学の医師の管理下にあり、リーバーDCは「ナンセンスだ」と無免許で開業し、盛業していました。

そして12回以上も嫉妬した医師と医師会、州の免許ボードなどから訴えられて逮捕・収監されたのです。

(写真①)Eブック参照

リーバーDCは、カイロプラクティックの独自性を護り、カイロプラクティックの専門職を護り、米国市民の医療選択の自由を護るために自らを犠牲にしても戦ったのです。

リーバーDCは2000年2月7日に93歳で他界するまで、70年以上に亘ってカイロプラクティックを臨床し、ICAの副会長としてB.J.を支えた真のストレート カイロプラクターでした。

リーバーDC以外にも創成期のDCたちの多くが自らの身を犠牲にしてもカイロプラクティックの独自性を護るために、無免許医療行為で訴えられる度に「私が行っているのはカイロプラクティックであって、西洋医学やオステオパシーではない」として無罪を訴えて戦い、投獄され、罰金を科されても主張を固持し続けたのです。

(写真②)Eブック参照

そして、彼らの自己犠牲的・献身的な戦いと、彼らを応援する患者達、またB.J.パーマーDCとUniversal Chiropractors’ Associationの支援などによって、カイロプラクターたちは法廷で勝利を収め、やがてカイロプラクティックの法制化へと繋がり、全米50州で、そして世界の先進諸国での法制化に続いているのです。

人として、カイロプラクターとして高い倫理観を持つ彼らのお陰で、我々は今日もカイロプラクティックを臨床することが出来るのです。

自分の都合やエゴでカイロプラクティックを金儲けの道具として使ったり、西洋医学に偏向して専門職の独自性を破壊するような言動をする者は、その低い倫理観でリーバーDCのような偉人達に対して恥ずかしいとか、申し訳ないと思わなければならないのではないでしょうか。


カイロの真価①(120号掲載)

カイロプラクティックは西洋医学とも東洋医学とも異なる独自の哲学・科学・芸術を持ち、サブラクセーションを代表とする独自の理論に基づいて進化・発展し、124年もの間、多くの患者を救い、健康維持、アスリートなどの能力発揮やケガの予防などさまざまな形で世界人類に貢献してきました。

その最も特殊なところは、痛みなどに代表される「症状」をケアの対象とせず、不調の原因である「サブラクセーション」を見つけて取り除くというところです。

例えば、「カイロプラクティックは突発性側弯症を治せるのか」ということを問う人がいます。しかし、側弯症には遺伝的要素の関与がある場合や、脳の問題が影響する説もあり、原因は必ずしも一つとは限りません。

私はカイロプラクティックで突発性側弯症が治せるかどうかは明言しません。何故なら側弯症は症状であり病名だからです。

しかし、突発性側弯症といわれる患者をケアしたことはあります。

写真1 Eブック参照

写真1は12歳の男子で親御さんが姿勢の悪さを気にして連れてこられた症例です。

写真2 Eブック参照

写真2は胸腰椎部が中心の側弯の症例です。

写真3 Eブック参照

写真3は頚椎と腰椎に傾きがあるタイプのS字状側弯の症例です。

カイロプラクティックによってサブラクセーションが取り除かれ、それが原因で起こっていた側弯曲は減弱したといえると思います。

カイロプラクティックは症状を治療したり、背骨を真っ直ぐにするものではありません。しかし、正しくカイロプラクティックを施せば、結果は出るものです。

C.S.ガンステッドDCは、「結果が出ない時は、カイロプラクティックの原理・原則に疑問を持つ前に、自分の臨床の方法に問題がなかったかを見直せ」という言葉を残しています。

カイロプラクティックは素手でサブラクセーションをアジャストするものであり、それで結果が出せてこそカイロプラクターなのです。

そのために我々は哲学を学んで原理・原則を理解し、進むべき方向性を確認し、最新の科学を研究して発展させ、芸術としての手技の鍛錬を継続するのです。

いくら症状が良くなっても、素手でサブラクセーションをアジャストしていなければ、それはカイロプラクティックではありません。


カイロの存在意義⑥(119号掲載)

カイロプラクティックはサブラクセーションを見つけて、どの椎骨がどの方向にどの程度不整列を起こし、その退行性変性の度合いはどうか等の状況を分析し、必要な時に、必要な椎骨に、必要な方向に、必要な深さでアジャストをするものですから、分析にはX線写真が必須と言っても過言ではありません。

また、不整列の状態を分析するだけではなく、アジャストを加える椎骨の解剖学的あるいは病理学的な所見を確認することが、プライマリーヘルスケア(第一次医療)のドクターとしても医療過誤防止のためにも必要です。

写真1は、第2腰椎にアイボリー・バーテブラと呼ばれる象牙のように白く見える所見があります。この症例は65歳の男性で前立腺癌が転移したものです。悪性腫瘍によって椎体が侵されていますからアジャストは禁忌で、早急に転医が必要です。

写真2は、第1腰椎にウインク・オウル・サインと呼ばれるぺディクルが片側消失している所見があります。この症例は70歳の女性で乳癌が転移したものです。悪性腫瘍が椎骨を侵しているわけですから、直ぐに転医です。

写真3は、脊椎分離症が第5腰椎にあります。この症例は30歳の女性で階段状変形が無いので、視診や触診で分離を発見することは困難です。分離に気が付かないまま第4腰椎をアジャストしたり、腰仙部に捻転が加わるような手技を行うと分離が悪化する可能性があります。

この写真4は、横突起過形成が左側にあるベルトロッティ症候群の所見があります。この症例は43歳の女性で、肥大化した横突起が仙骨と偽関節を構成するような仙骨化の状態があり、禁忌とまでは言えませんがその椎骨にアジャストするには注意を要します。

写真5は、第2頚椎歯突起の形成不全があります。もしX線写真で確認せずにアトラス(C1)に深いアジャストをした場合、最悪のケースでは脱臼を起こして脊髄損傷ということも起こりえます。

これらのケースはX線画像を確認せずに発見することはできません。患者の安全と利益のためにX線検査が有益であることの証拠であり、特に3や4の症例は稀ではないのです。

脊柱にマニピュレーションを施す他の専門職のMDやDOはX線検査して病理学的診断はできますが分析はしません。DPT(理学療法博士)はX線検査も分析も出来ません。

しかし、DCはX線撮影も分析もでき、その上でアジャストをすることができるのです。

他の専門職ができない、しない独自のX線分析法を用いるカイロプラクティックは、安全かつ正確なアジャストを提供できる唯一の専門職として存在価値があるのです。

1909年にBJパーマー先生がスパイノグラフと呼んでX線検査をカイロプラクティックに導入したことで科学的に発展し、訴訟に勝って独自性が認められた歴史を忘れてはならないのです。


カイロの存在意義⑤(118号掲載)

先回、ACAのX線写真撮影に関する反カイロプラクティック的な指針に対して、国際カイロプラクターズ協会(ICA)などの業界団体や大学が拒否をしたことを紹介しましたが、2019年5月1日付で国際カイロプラクターズ協会が国際カイロプラクティック連盟(WFC)に対してWFCの所属団体として正式に不服申し立てを行ったと発表しています。

それは、WFCがサブラクセーションを否定するような表明をしたからです。

サブラクセーションはカイロプラクティック専門職にとって金科玉条と言える最も大切にして守らなければならない重要なカイロプラクティック独自の理論です。

それを否定することは、カイロプラクティックの哲学を否定することに繋がり、カイロプラクティックそのものを否定することになります。

カイロプラクターがサブラクセーションを取り除くことを目的とせず、その他の企図によって脊柱にマニュピレーションを行うのなら、それはオステオパスやフィジカルセラピスト(理学療法士)によるマニュピレーションや整体師による矯正との違いが明瞭ではなくなります。

カイロプラクティックの三位一体である哲学・科学・芸術に基づき、それらに準ずる方法でサブラクセーションを見つけて、それを取り除くために素手によってアジャストすることがカイロプラクティックであり、その中心をなすサブラクセーションを否定してはカイロプラクティックは成立せず、もはや存在理由がなくなります。

カイロプラクティックの名の下で、鍼治療、ホットパックなどの温熱治療、低周波などの電気療法、マッサージなどの他の治療法などを施すミキサーと呼ばれるDCも少なくないのが現状です。 そういった東洋医学の鍼、西洋医学の理学療法、マッサージなどとゴチャ混ぜな臨床を患者に提供し、それがカイロプラクティックであるかのようにウェブサイト等で情報発信するミキサーたちによって、患者はカイロプラクティックが何であるのかを正しく理解することが出来ず、カイロプラクティックの独自性は混乱し、やがて崩壊してしまいます。

かつてオステオパシーという専門職が存在しましたが、やはり創始者のスティルDO、MDの哲学を蔑ろにし、技量の研鑽より目先の症状軽減を重要視したDO達によって薬の導入を許し、その後は外科手術も導入し、終いにはMDと同様に医業を臨床するようになり、完全に同化してその独自性を消失してしまいました。

今日でも、極僅かなDOたちが手技を継承・臨床してはいますが、専門職としては有名無実と言える状態です。

米国では専門職ごとに保健請求などで用いる診断及び医療処置コードを編集した冊子が販売されていますが、内科、皮膚科、整形外科、理学療法科など専門別に冊子が作られています。

カイロプラクティックの冊子もあり、M99.11頚椎サブラクセーションといった診断コードや98940アジャストメント脊柱1~2部位という処置コード等のカイロプラクターがよく用いるコードが冊子に編集されています。

しかしオステオパシーという専門の冊子はありません。 西洋医学と同化し医師(MD)と同じ診療をしているのだから、医師と同じコードを使うわけであり、別の専門冊子は不要です。

遵って、カイロプラクティックもマニピュレーションを行い、理学療法・運動療法ばかりを提供するようになれば、遠からずカイロプラクティックという専門職用の冊子も不要になり、オステオパシーと同じ轍を踏むことになるでしょう。

オステオパシーはMDに準ずる形でドクターとして医学を業としていますが、カイロプラクティックは理学療法に吸収されてしまう可能性すら否定できません。

米国でオステオパシー、ホメオパシー、ナチュロパシー等の医療が西洋医学から攻撃されて事実上壊滅し、独立を守ったのはカイロプラクティックだけであるということを歴史から学び、守り続けなければなりません。


カイロの存在意義④(117号掲載)

カイロプラクティック界には創成期の頃から獅子身中の虫とも言える者たちとの戦いの歴史があります。

その根底にあるのは、やはりカイロプラクティックの哲学を理解しているか否かという所にあるように思えます。

最近では、米国カイロプラクティック協会(ACA)というナショナル系・ミキサー系のDC達が創始した団体が「Choosing Wisely」と銘打ったガイドラインを発表し、その中でX線撮影に関して「急性の腰痛患者では6週間はX線検査をするべきではない」と記しています。

それは西洋医学の医師(MD)なら当てはまるでしょうが、カイロプラクティックには全く当てはまりません。

こういった的外れで反カイロプラクティック的なガイドラインを平気で発表するあたりが、サブラクセーション理論を理解していない、カイロプラクティック哲学を理解していない、そして西洋医学偏向思考の結果ではないでしょうか。

それゆえに、国際カイロプラクターズ協会(ICA)を筆頭に、イリノイ平原州カイロプラクティック協会(IPSCA)やフロリダ、ジョージア、ユタ、アイダホ、ニューヨーク、ミシガンといった州の団体、シャーマン大学、ガンステッド・メソドロジー研究所など29以上の業界団体・組織がACAのこのガイドラインのX線検査の部分に対して拒否を表明しています。

また、豪州カイロプラクティック協会が、「乳幼児に対する脊柱マニピュレーションを禁止」とする規則を制定したと報じられています。カイロプラクターはアジャストメントをしますが、マニピュレーションはしないのです。とにかく、乳幼児にカイロプラクティックは禁忌という主張です。

米国カイロプラクティック協会も豪州カイロプラクティック協会も、「エビデンスが無く、有効性も安全性も証明されていない」というのが理由の主たるものということだそうです。

しかし、この「エビデンス」と呼ばれるもの、つまり「科学誌・医学誌にピアレビューを経て論文が掲載される」というものの信頼性が根底から破綻していることは以前に紹介しました。

西洋医学が支配する、そして製薬企業の巨額の資本力の影響下に置かれている科学誌・医学誌に掲載された「約半分は嘘」とまで編集長に言われている「所謂エビデンス」を妄信せず、業界として、専門職として基礎研究を行うべきでしょう。

また、利益とリスクを充分に考慮し、明らかにリスクが便益より高いことが証明されていない現状での禁止の決定は、それこそがエビデンスの欠如ではないでしょうか。

そして、カイロプラクティックのX線検査・分析の臨床上の有効性とリスクにせよ、サブラクセーション理論にせよ、エビデンスがないと否定する前に自ら調査研究して事実を解明しようとするべきです。

研究は開業し臨床しているDCでは限界があるので、ACAなどの業界団体が大学と協力して行うべきことですが、それもしないでエビデンスがないというのは無責任にもほどがあるのではないでしょうか。

彼らの大好きなエビデンスによると、西洋医学の医療行為の15%しか根拠がない、西洋医学は米国民の死亡原因第3位、医療過誤が米国民の死因の第3位、医薬品の宣伝の6%しか根拠がない、薬の副作用で毎年1600万人が入院し内16万人が死亡、など西洋医学の医療行為の問題点が多数報告されていますが、米国とオーストラリアの協会さん達は「医療行為を禁止」と医師や医師会には言っていません。

エビデンスがリスクを証明しているにも関わらず医師には何も言わないのに、身内にだけ余計なことを言うのは何故でしょうね、立ち位置が不明です。

カイロプラクティックの哲学を理解していないがゆえに、カイロプラクティックの可能性も知らず、西洋医学側の理論や主張を受け入れる行為は、カイロプラクティックの未来、いや人類の未来に対する罪といえるのではないでしょうか。


カイロの存在意義③(116号掲載)

21世紀の今日でも、純粋にカイロプラクティックを愛し、伝統を継承し、識能を練磨し、ガンステッドの上部頚椎のテクニックで多くの患者をカイロプラクティックで救っている真のカイロプラクター(DC)達が存在します。

米国では、多くの患者達が自分の持つ医療保険のネットワークに入っているドクターを探しますが、保険を使わずに自由診療で臨床しクリニックを運営しているDCも少なくありません。

モダリティーと呼ばれる様々な他の療法を一切加えず、素手によってのみアジャストするケアだけで、保険にも頼らずに盛業しているDC達の存在そのものが「カイロプラクティックの真価」を証明しています。

そういった真のカイロプラクター達は、患者教育の重要性を認識しカイロプラクティックとその健康観などを根気良く患者や地域社会に伝道し続けています。

また、BJパーマーDC,PhCがそうしたように、最新の科学技術を常に取り入れて、サブラクセーションを矯正することで得られるカイロプラクティックの効果などを証明しようと努めています。

2018年9月28・29日に開催されたICAカイロプラクティック哲学評議会とカイロプラクティック発展センターの主催する適応性研究シンポジウムに出席した際にも、ガンステッド系の数人のDC達を中心にKubios社製のHRV(Heart Rate Variability)計測システムを用いて交感神経トーン、副交感神経トーンなど自律神経の機能を測定し分析することで、サブラクセーションへのアジャストが神経系に及ぼす作用を研究しデータを共同で集積した経過報告がありました。

また、2018年11月にICA上部頚椎ケア評議会の会長に選ばれたIan Bulow, DC, DCCJPはブレアーというHIOから派生したテクニックの達人ですが、ConeBeam CT 3D imageという歯科用を改良したCTを用いて3Dの頚椎画像を撮影し、上部頚椎の分析法を発展させています。

こういった試みが真のカイロプラクティックの進化であり発展に繋がるものです。

巷にはDCであってもカイロプラクティックを修得できず未熟なテクニックのまま結果が出せないことを補うために他の方法を付け足したりして進化させたと嘯いている輩が多い中、本物のカイロプラクターがこうして活躍している事実を日本のカイロプラクターの皆さんにも知って欲しいと思います。そして、真のカイロプラクティックを修得し臨床するようにして頂きたいと思います。

DCの中には、サブラクセーションは根拠がない過去の概念だからカイロプラクティック専門職として削除し使わないようにしよう、と主張する獅子身中の虫もいます。

しかし、先回の記事で、根拠と言われる医学・科学誌に論文が掲載されるという事が、製薬企業などの資金提供の影響でもはや信用できない状況になっていることを紹介しました。

その影響の一つが、製薬企業の敵である薬を用いないカイロプラクティックを貶めることであり、多くの医学誌ではサブラクセーションやアジャストメントというカイロプラクティックの言葉を用いる論文を排除するという傾向にもありました。

いくらDCが論文を寄稿しても、サブラクセーションという単語を使えば掲載されないのですから、根拠が作れない仕組みになっているのです。ご存知でしたか。

そんな厳しい状況下で、信念あるDC達は臨床・研究し、地道にカイロプラクティックを未来へ継承する努力をしています。モダリティーと呼ばれる様々な他の療法を一切加えず、素手によってのみアジャストするケアだけで、保険にも頼らずに盛業しているDC達の存在そのものが「カイロプラクティックの真価」を証明しています。これからも同じ志を持ったカイロプラクターを増やしていくことが、今後の業界には必要なのではないでしょうか。


カイロの存在意義②(115号掲載)

カイロプラクティックの専門職にナショナル(NUHS)の創立者であるジョンFAハワードが理学療法を持ち込んで以来、カイロプラクティックは独自性を失うリスクを背負って分裂してきました。

ナショナル系の西洋医学偏向の大学では、理学療法はDC学位過程の必須科目となり、逆にカイロプラクティック哲学は教えないようになっていきます。

米国カイロプラクティック国家試験(NBCE)でも理学療法(PT)の科目が創られ、また州の開業免許の条件の一つに、その合格が求められる州もあります。

そうして、純粋にストレート・カイロプラクターを目指している学生であっても、自分が開業を希望している州によっては理学療法を学ばざるを得なくなり、パーマー系の大学も選択科目として理学療法を教える必要性にせまられたのです。

遵って、今日では北米の全てのカイロプラクティック大学で理学療法が教えられ、更に薬学や栄養学などといった西洋医学の科目をDC学位過程で教える所もあるありさまです。

その結果、DC学位を取得して国家試験に受かっても、カイロプラクティックの哲学も芸術も十分に修得せず、医学知識に偏った頭でっかちのDCとなり、素手によってなされるアジャストの修得の意欲も努力もないまま安易な器具による刺激療法の様なテクニックに流れる者が多いのです。

それはパーマーカイロプラクティック大学ですら例外ではないほどで、「パーマー大学卒イコール優秀なカイロプラクター」というのは過去の栄光と言えるくらいの惨状です。

そうしてカイロプラクター達が本来の「アジャストメント」のパワーと価値を貶めて「マニピュレーション」と混同し、そして自らの施術をマニピュレーションという言葉を用いる風潮がもたらしたものは何でしょうか。

この写真はある医学専門職の学会誌です。どこかで見覚えのある手技だと思いませんか。そう、これはディバーシファイドのミリオンダラーロールと呼ばれる古典的カイロプラクティックの骨盤矯正法です。

この医学誌は「整形外科&運動理学療法ジャーナル」2004年4月号で、理学療法士のものです。

カイロプラクターが彼らの領域を侵した事に反撃して、近年特にその有効性や安全性が認められている脊椎調整を自分達のモノにしようと虎視眈々と狙っていたのです。

かつて理学療法士が脊椎調整を臨床する権利を主張した時、裁判によって「脊椎調整はドクター(MD・DO・DC)レベルの者でなければならない」と却下されました。

MDやDCの様に第一専門職学位になれない彼らは、アカデミック学位の博士号(PhD)を理学療法士の免許取得の条件にし、理学療法博士としてのドクターになり、また理学療法手技テクニックにGradedモビリゼーションに加えHVLAマニピュレーションとして高速低振幅の調整操作を導入して教えてきたのです。

その結果、理学療法士は、マニピュレーションは(西洋)医学のものであり、我々理学療法ドクター(博士)が適任者であるとばかりに攻勢をかけてきています。

このままではカイロプラクティックと理学療法の違いがなくなってしまい、独自性は消滅し、存在価値もなくなってしまう可能性が大いにあります。

DOが辿った道をDCも追従し、三流の似非医師のようにDC免許で医学を臨床する日がくるのでしょうか。素手でなされるアジャストの修得意欲もないまま、器具による刺激療法に流れる者が多くなるのでしょうか。カイロの存在意義が問われます。


カイロの存在意義(114号掲載)

カイロプラクティックの独自性の根幹は他の医学・医術とは異なる哲学・科学・芸術の三位一体によるものですが、それを蔑ろにするDC達によってその存在意義が失われ、将来的にはオステオパシーが辿った滅亡への道を追従する危機に直面しています。

西洋医学は出血性外傷、複雑骨折、心肺停止など重篤な患者への救命救急では抜群ですが、一般的な患者の場合はどうでしょうか。

一般的な14種の症状に対する診断所見結果は、心理学的原因:10%、器質性原因:16%、原因不明:74%。(American Journal of Medicine 1989)

僅か約15%の医療行為しか科学的な証拠に基づいていない・・・これは一部である、何故なら医学誌に掲載された論文のたった1%のみが科学的と考えられるからだ。(British Medical Journal 1991)

 毎年千六百万人が、処方された薬の副作用で入院し、十六万人がその副作用が原因で死亡している。毎年十八万人が医師が原因の傷害で死亡している。(Journal of American Medical Association 1994)

心臓病や癌などの死因に続いてアメリカでの死亡原因の第三位は医師(西洋医学医師)。医原病で死亡する人は年間23万人~28万4千人で、調査に多少の誤差があったとしても第4位の脳血管障害との間には著しい差がある。(Journal of American Medical Association 2000)

医薬品の宣伝材料の僅か6%しか根拠がない。(British Medical Journal 2004)

医療(西洋医学)が原因で死亡する米国人は毎年78万3936人、心疾患が69万9697人、癌は55万3251人と、西洋医学は米国民の第一の死亡や負傷原因。(www.lef.org ,2004)

米国での死亡原因は、第1位が心臓疾患(約61万1千人)、第2位が癌(約58万5千人)、第3位が医療過誤(約25万1千人)、第4位は慢性閉塞性肺疾患(COPD:約14万9千人)であり、医療ミスが死亡原因の第3位である。(British Medical Journal 2016)

これらの研究論文で明白なように、西洋医学は皆が信じている程には科学的でもなく、原因を解明している訳でもなく、効果的でも安全でもないばかりか、死亡原因の第3位という危険な医療です。

論文が掲載された臨床研究、高名な医師の判断や権威のある医学的指針などを信頼することは、もう不可能である。The New England Journal of Medicineの編集長を20年以上務めた私が、ゆっくりと、嫌々ながら至ったこの結論に全く喜びを持てない。(Dr. Marcia Angell)

可能性として、出版された論文の半数は、単純に言って虚偽だろう。(Dr.Richard Horton, Editor in Chief of The Lancet)

権威ある科学・医学誌の二人の編集長が指摘するように、製薬企業や医療機器企業による、医師、研究者、大学、学会、行政、そして学術誌やその編集者への寄付・研究資金等の提供などの経済的支援によって、研究論文や指針、医師の判断すら最早信用するに値しない時代となり、根拠に基づく医療もその根拠が崩壊している状況です。

対照的に、The American College of Physiciansの腰痛診療新ガイドライン2017年版で、急性・慢性ともにカイロプラクティックは安全で有効と推奨されるなど、まだ特定疾患だけだが、その真価は評価されてきています。製薬企業による研究費支援を受けない、まだ信頼できる研究によって、評価されているのです。

 西洋医学の問題点が露呈した今こそ、カイロプラクティックを純粋に守り、研究し発展させて、安全で効果的な独自の医療として存在させることこそが、我々カイロプラクターの責務であり人類への貢献となるのではないでしょうか。

(参考)https://www.youtube.com/watch?v=jcnd3usdNxo&feature=youtu.be

https://www.youtube.com/watch?v=aRBvMQBucxg


米国カイロの歴史と潮流(113号掲載)

カイロプラクティックの創始者DDパーマーが、「カイロプラクティックとは、自然の法則に基づく、哲学・科学・芸術であり、不調の原因となる脊柱上の分節を、素手によってのみアジャストをするシステムである。」と定義している。

また、「私達はカイロプラクティックを私達の患者に対し純粋なまま与えている。もし、それが他の如何なる方法とでも混ぜられたなら、すぐにその独自性を失ってしまうだろう。」と言っています。

それにも関わらず、ナショナル系のDC達は理学療法などを持ち込んで自分の学校の教科に入れたり、哲学は教えず内科学などの西洋医学の科目を教えるなど、創始者の定義や指針を蔑ろにしてでも、特徴を作り差別化を図ってきた事は以前にも紹介しました。

そして、政治的活動に長けた彼らは、CCEやNBCEなどを創設し、カイロプラクティック教育を支配することで自分達の考えを業界の基準に押し付けたのです。

本場アメリカでは、カイロプラクティックを業とする者は、CCEの認定を受けたカイロプラクティック大学を卒業し、NBCEの国家試験に合格した後に州政府に免許を申請し、州の要求する条件を全て満たして開業免許を交付された者に限られます。

つまり、米国でカイロプラクティックを臨床している者は基本的にDC学位を取得しているのですから、大学でカイロプラクティックを学び、ドクターとして臨床するに必要な知識と技術を学んでいる筈です。

しかし、現実にはそこに大きな落とし穴があります。

大学を卒業しDC学位を取得しただけでは開業できず、NBCEの国家試験に合格しないと州政府に免許申請が出来ないという点です。

先ず、カイロプラクティック大学は、CCEの認定を受けなければなりません。その為にCCEが要求する諸々の条件を満たさなければいけないのです。

CCEの認可を受けるために、多くの西洋医学の科目を教える必要があり、またNBCEの国家試験はほとんど医師国家試験と言ってよい程に西洋医学の知識を求められ、カイロプラクティックの問題は無いに等しい状況です。

その結果、パーマー大学を卒業したDCであっても、国家試験科目の履修に忙殺され、カイロプラクティックの哲学を真面目に学んでいない者が多く散見されます。

また、多様性が重要などとして、一定数の教員は他大学卒の者を雇用しなければならなくされ、パーマー大学にもナショナル系のDCが入ってきたことで組織としての統一性が失われました。

その結果、パーマー卒のDCでも創始者の定義を理解せず、「素手でなくても、器具を用いてもいいじゃないか」とか、「カイロプラクターが薬も処方できる様に法改正しよう」といった専門職の独自性を破壊し、西洋医学の隷属的地位に貶める発言や行為が散見されることに繋がっています。

つまり、政治的な力で教育を支配することで、輩出される新卒のDC達が自分達の思想の影響下におかれ、次第に業界の大多数を占めるようにしたのです。

国家試験受験資格を盾にして、西洋医学偏向のミキサー的思想に抵抗感をなくさせたと言えるでしょう。

CCEやNBCEには、教育レベルの向上、医学界からの認知向上という表の面だけでなく、専門職の独自性に与えた負の面があるのです。ご存知でしたか?


テクニックに絡む問題2(112号掲載)

本場アメリカでも、カイロプラクティックのテクニックと謳っていますが実際にはカイロプラクティックとは云えないものも多く散見されます。

以前に紹介した素手でアジャストを行わず器具を用いる類もそうですが、実はカイロプラクティック・アキュパンクチャーと呼ばれているものもあります。アキュパンクチャーとは鍼治療のことです。

我々日本人なら、カイロプラクティックは米国発祥の独自の徒手医療システムで、鍼治療は中国を起源とし、中国・日本・韓国など東亜細亜で発展普及した東洋医学の一部と理解していますから、カイロプラクティック鍼治療など有り得ないと思うのが普通でしょう。

それは、カイロプラクティックと鍼(東洋医学)の両方に対する侮辱・冒涜であり、両専門職にとって破滅的悪影響を与える危険性すらあります。 

困ったことに、カイロプラクティック・鍼治療評議会を設立認定しているのが、あの米国カイロプラクティック協会(ACA)なのです。

ACAは、鍼の他にもカイロプラクティック・オーソベディックス(整形外科学)やリハビリテーション、診断と内科系疾患などの評議会を持っており、西洋医学の範疇、東洋医学の範疇のものと「ごちゃ混ぜ」の状況です。

また、他にもアニマル・カイロプラクティックと謳っているものもあり問題になっています。

アニマル(動物)を診察、診断、治療できる専門職は獣医師であり、米国でも州の法律や条令等によって差があるもののカイロプラクターが動物に施術を行うことで獣医師とトラブルになるケースがありました。

現在は、米国獣医(家畜)カイロプラクティック協会(AVCA)なる団体が、DCと獣医師の両方に対してアニマル・カイロプラクティックの認定を与えているようです。

しかし、認定云々の前に、それをカイロプラクティックと呼ぶに相応しいのか、という問題があります。

BJパーマーは、アニマル・カイロプラクティックを研究していましたが、結局それをカイロプラクティックとして導入しませんでした。

動物の種によって脊椎の形状等が異なる、X線フィルム分析を行えない、NCMなど温度計測機器が使えない、などカイロプラクティックの科学が生かせない事に加えて、獣医師との争議を避ける為であったと云われています。

私は、パーマー大学で脊柱解剖学2解剖実習用学習ノートを出版しており、脊椎への関心から、人間、マンモス、鹿、猫、狼、兎、大山猫、カワウソ、北極狐など計18種の哺乳類の第1頚椎(一部はC2とC3も)を収集し、形状などを研究していますが、写真の様に同じ哺乳類でもC1だけでこんなに形状が違うことが判ります。

人間の脊柱だけでも解剖学的に理解するのは大変なのに、他の動物のそれを十分に学んでいるのでしょうか?

こんな種によって解剖学的にも形状からして異なる脊椎のサブラクセーションを、前述のカイロプラクティックの科学であるツールも使わず、どうやって判定するのでしょうか? アジャストも何を根拠に、どこにコンタクトして、LOCはどうするのでしょうか?  

BJパーマーは云っています、「カイロプラクティックはスペシフィックであり、そうでなければ無価値である」

動物へのマニピュレーションにスペシフィックであると云える要素は皆無だとBJは判断したのでしょうか。


テクニックに絡む問題1(111号掲載)

カイロプラクティックは哲学・科学・芸術の三位一体であることは、創始者のDDパーマーによって定義に謳われています。その芸術にあたるのが静止触診、動態触診などパルペーションや、矯正操作のアジャストメントといった、ドクターが素手で行う「手技」の部分です。

ところが、定義によって「素手によってのみアジャスト」と定められているにも関わらず、道具・器具を使って矯正・調整操作を行おうとする者がでてきました。カイロプラクターが用いるテクニックで道具を施術に使うものは、アトラスオーソゴナル、ペティボン、コーレン・スペシフィック、グラストン等々がありますが、最もよく知られているのはアクティベーターでしょう。しかし、意外と知られていないのはアクティベーターのルーツです。

写真は、パーマーカイロプラクティック大学のLYCEUM HALLのフロアーに展示されているものを撮影したのですが、そのルーツが説明されています。その説明では、「1945年5月に特許取得した改良型Dr.Reiterのオートマチック手術用マレット(槌)。それを改装したものがアクティベーターとして1984年にカイロプラクティック界に紹介された。」と書かれています。

そう、アクティベーターは元々、医師(MD)が手術に用いる手術器具だったのです。その先端に装着する付属部品を金属の刃からゴムに挿げ替えたものをアクティベーターと名付けてカイロプラクティック界に持ち込んだのです。アジャストが下手で手などを傷めたDCが代替案で器具を開発し自分で使う分にはまだいいのですが、米国人はすぐにセミナーをして稼ぎ、器具を売って稼ぎ、と商売にして他に売りつける傾向があるのも問題です。

一般の常識からすれば、手術器具を用いて施術を行えば、それは手術を行った(医療行為)と見なされても仕方がないのですが、一部のカイロプラクター達から受け入れられました。カイロプラクティックの定義に沿った本来のカイロプラクティックのテクニックは素手によってのみアジャストするのですが、それらは修得するのに相当な訓練が必要であり、容易ではありません。しかし、器具を用いて脊柱周辺に刺激を与える方法であれば、そのプロトコールさえ覚えればよいので誰でもすぐに使えることから受け入れられ易いのでしょう。

また、素手によってアジャストする場合と比較してアクティベーターのような器具で刺激する方が安全であるような事を宣伝する者もいますが、それは正しいとは言えません。私のクリニックの患者の中で、過去にアクティベーター等の器具を用いる治療を受けて体調が悪化した経験を報告された方も何人かいますし、2016年10月にはアクティベーター施術後に脳内出血を起こした症例が報告されています。(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5167612/)カイロプラクティックと脳出血のリスクについて医師から攻撃をうけるのは、器具による施術でも例外ではないのです。

個人の信条や哲学が西洋医学崇拝・偏向な人や金儲け主義の人がDCとなっても、カイロプラクティックの哲学や創始者DDの定義などに敬意も興味もなく、自分勝手な都合のよい理屈でカイロプラクティックを本来あるべき方向から悪しき方向へ牽引しているようですが、器具を用いて施術することも、その代表的な一例と言われています。


米国で増加する首の問題(110号掲載)

前回は、頚椎前弯減少が引き起こす様々な問題を紹介しましたが、今回は頚椎の前傾についてです。

医学誌「Modern Manual Therapy of the Vertebral Column」に掲載された論文では、次のように言明しています。「頭部が前方移動した姿勢を矯正されていない人達は、神経や血管の炎症・緊張、胸郭出口症候群のような状態、筋肉や組織の痛み、結合組織炎のような症候群、慢性的緊張、若い年齢での退行性変性や関節炎などの、慢性的或いは不快な状態を被る可能性が高い。」首が前傾し、頭部が前に移動した姿勢のような「悪い姿勢」は、様々なストレスを身体に加える結果となり、神経や血管などの機能不全や炎症、緊張などを引き起こし、高血圧や退行性変性などの原因ともなるのです。

正常な頚椎の場合、頭部の重量が通過する重心線は第7頚椎の椎体部を通ります。しかし、頚椎の前傾が起ると重心線は第7頚椎の椎体部を通らず、その前方を通ることになります。一般的に人間の頭は体重の1割程の重量がありますから、体重50kgだと頭の重さは約5kgです。しかし、頚椎が前傾すると、その重心線が1インチ(約2.54cm)前方に移動する毎に10ポンド(約453.6g)の負荷が頚部に加わります。

例えば、体重80kgの男性で、頚椎が前傾して重心線が2インチ前方移動していれば、頚部に掛る負荷は約9kgにもなるのです。このような負荷は当然ストレスとなりますから、頚部のサブラクセーション(不整列)退化の悪化を引き起こす原因ともなります。

この写真では、頚椎前弯が消失した上に前傾しており、第5~7頚椎に退行性変性である骨棘など変形性頚椎症の状態がみられ、第5頚椎棘突起の後部に棘上靭帯骨化症(Nuchal Bone) もみられます。

2枚目の写真では、頚椎前弯が減少した上に前傾しており、第6頚椎に骨棘がみられ、第4~6頚椎棘突起の後部に大きな棘上靭帯骨化症が認められます。

3枚目の写真では、頚椎前弯が減少した上に著しく前傾しており、第6~7頚椎、第7頚椎~第1胸椎に椎間板萎縮が認められます。

4枚目の写真では、頚椎前弯が減少した上に前傾しており、第5・6頚椎に骨棘がみられ、第1頚椎が奇形で後弓が欠損しています。この様に、PCの使用・スマホの使用が一般的となった今日では、その使用時の姿勢の悪さやストレスなどから脊椎にサブラクセーションが起り、その結果として頚椎前弯減少や頚椎前傾といった状態になっている人が増えています。写真3や4などのケースでは、X線写真による分析なしに椎間板萎縮やアトラス(C1)の奇形などは知りえないことですから、脊椎を矯正するカイロプラクティックにX線検査が必要不可欠なことが理解できます。


米国で増加する首の問題(109号掲載)

カイロプラクティックの本場アメリカでも近年、様々な理由でX線検査を行わないDCが増えています。その理由には、X線フィルム分析を必須としているカイロプラクティックの正統なテクニックを用いていない、X線撮影装置を購入するお金がない又は設置する場所がない等、幾つかあるようです。

しかし、それとは裏腹に、アメリカではX線写真で判明する首の問題が近年注目されています。それは、テキスト・ネックなどとも呼ばれる、スマホ、タブレットPCなどを多用する者に増加中の頚椎前弯の減少や頚椎前傾です。基礎医学である解剖学で脊柱解剖学を学んだ者は知っているように、正常な頚椎はX線写真側面像(図1)では虹のように前弯を描いて配列しています。

それが、悪い姿勢で長時間スマホを見続けるなどの物理的ストレスによってサブラクセーションが起こり、正常な配列を乱し、前弯が減少してストレート・ネック(図2)になっているケースが増えているのです。

程度の差こそあれ、正常な頚椎の前弯を失い、配列に異常・不整列が生じることは、人体にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

ノーベル賞受賞者の神経外科医であるAlfred Breig 医師・医学博士は、次のように述べています。「命の円弧である頚部(首)のカーブ(前彎曲)を失うことは、脊髄を5~7cmも伸長させ、そして病理学的緊張を生み出し、身体を病的状態に至らしめる。」ニューヨーク脊柱手術&リハビリ医学の主任脊柱外科医であるKenneth K. Hansraj医師は、次のように述べています。「頚椎の自然な前弯カーブを失うことは、頚椎に掛るストレスを漸増的に増加させる状況に導く。」医学誌「Medical Science Monitor」電子版に2016年2月15日に掲載された論文で、Mehmet Deniz Bulut医師は、次のように述べています。「包括的な研究によって、頚椎の前弯消失が椎骨動脈の機能低下と重大な関係があることが判明した。それには、動脈の直径、血流量、心臓収縮期の頂点速度などの低下が含まれる。」

医学誌「The Journal of Neuroscience」に2007年8月1日に掲載された論文で、ロンドンカレッジ大学のIan J. Edwards博士は、次のように述べています。「首が動く時、首の筋肉細胞は脳に信号を送るが、体が姿勢を変化させた分に応じて適切な血液供給を確実にする為であろう。しかし、悪い姿勢によって細胞がダメージを受けると、そのシステムは衰弱し、結果として血圧が最適よりも高く、或いは低くなる。」

このように、頚椎の不整列(サブラクセーション)によって正常な配列が乱れ、前弯カーブを失うことだけでも、神経系の機能が衰弱し、心臓血管系など様々な機能異常の原因となり得ることが判明しています。


米国カイロの歴史と潮流6(108号掲載)

カイロプラクティックのテクニックは200種類ぐらい(程)あると云われており、その中から本場アメリカでよく用いられている様々な方法やテクニックがありますが、カイロプラクティック哲学専門医(DPhCS)の視点から分類して紹介します。

A、創始者D.D.パーマーの定めたカイロプラクティックの定義と整合性のあるカイロプラクティックのテクニック。

▼上部頚椎系:HIO(ターグルリコイル、パーマー上部頚椎スペシフィック)、ブレアー、ヌカ、グロスティック、ケール。

▼フルスパイン系:ディバーシファイド、パーマー・ディバーシファイド、ガンスティッド。

▼ドロップ・テーブル系:トムソン、ピアース・スティルワゴン。

B、器具を使うなど、定義の定める「素手によってのみアジャスト」に合わない、カイロプラクターに用いられているテクニック。

▼アトラス・オーソゴナル、アクティベーター、ぺティボン、コーレン・スペシフィック、トルクリリース。

C、オステオパシーや中医学(鍼灸、刮痧(かっさ)療法)など他の医学の治療法を模倣して、カイロプラクターが用いているテクニック

▼仙骨後頭骨テクニック(SOT)、アプライドキネシオロジー(AK)、グラストン。

このように、カイロプラクティックのテクニック(A)と、カイロプラクティックのテクニックではないがカイロプラクターに用いられているテクニック(B,C)に大きく分類されます。勿論、カイロプラクティックはテクニックだけが全てではありませんし、テクニックはカイロプラクティックを臨床する上での方法論・技術でしかありません。しかし、カイロプラクティックのテクニックを十分に修得していないDC、或いは、カイロプラクティック以外のテクニックを用いるDCは、カイロプラクティックの臨床で結果を出すことは出来ません。

ビジネス・マーケティングのセミナー等では、「テクニックなんか何でもいい」と教えます。そして、モダリティと呼ばれる理学療法などを行い、サプリや腰痛ベルトなどを販売し、通院毎の収入を増やすか、患者毎の通院回数を増やすかなどの収入方法のことしか教えません。先回の手先が不器用な人が多い事に加えて、経営セミナー等での利益第一主義の影響も、テクニックの選択に関与していることも憂慮される米国の現状です。


米国カイロの歴史と潮流その5(107号掲載)

カイロプラクティックの三位一体の哲学・科学・芸術の内の芸術に属するテクニックは、発展期には様々なものが開発されていきました。カイロプラクティックの発展者と呼ばれるBJパーマーDC(以下、BJ)は、パーマーリコイルテクニックを開発した後、メリックシステムという全脊柱を対象としたテクニックをジェームス・ウィッシャーと共同で開発。そしてBJは、パーマーターグルリコイルテクニックという豆状骨でより精密なコンタクトを行い、トーク(捻転)をリコイル(跳ね返る)とターグル(トグル・環)に併せて行う方法を考案。そして、メジャーとマイナー論から最終的にホールインワン(HIO)或いはパーマー上部頚椎スペシフィックと呼ばれるテクニックを開発しました。このテクニックは、その後、NUCCA、グロスティック、ケールニーチェスト、ブレアー、アトラスオーソゴナルなどの上部頚椎テクニックを派生する基となりました。

C.S.ガンステッドDCは、ガンステッドテクニックという全脊柱及び四肢のテクニックを開発しました。これは、診察・温度計測機器・X線分析・アジャストまで体系化されたシステムであり、発展型或いはアドバンスドテクニックとして大きな影響を与えました。BJのHIOとガンステッドテクニックに共通するのは、どちらのテクニックもサブラクセーションを見つけ出すために、その診察においてNCMやナーボスコープといった皮膚温度計測機器を用い、X線フィルム分析を行うなど、科学的・客観的で再現性のあるカイロプラクティック独自の診察法を行い、サブラクセーションを素手でアジャストするというカイロプラクティックの定義を遵守した王道のテクニックであることです。

しかし、どちらのテクニックも修得には才能と素養、信念と哲学、そして努力と継続という困難を伴うため、途中で修得を断念し、素手でアジャストせず器具を用いる素人でも誰でも直ぐに行えるテクニックに宗旨替えするカイロプラクターが多いことでも共通しています。日本人は手先が器用な人が多い民族ですが、米国人はそうではない人が多い上に、米国人に特有の気質などで、テクニックが修得できず結果が出ないことに対して、自分を正当化してテクニックに責任転嫁し、より平易なものに移っていくことを、留学し、臨床して米国に長く在住することで嫌と云う程見てきました。


米国カイロの歴史と潮流その4(106号掲載)

カイロプラクティックの発展期には、創成期の原始的な診察・分析法や椎骨の矯正方法(現在ディバーシファイドと呼ばれる)に加えて、様々なテクニックが開発されました。初期の頃には、とにかく脊椎骨を如何に動かすか、ということでアメリカ原住民(インディアン)に伝わる方法、欧州の接骨を起源とする方法、中国や日本など東洋を起源とする方法などを含め、カイロプラクター達は研究し、創意工夫して効果的な矯正方法を考案、導入していたようです。

アルバ・グレゴリーDC,MDは、1907年にDDパーマーと共同でパーマー・グレゴリー・カイロプラクティック学校を創立したことで知られていますが、アジャストメント アンダー テンションというトラクション(牽引)を掛けて行う矯正法を考案し推奨しています。しかし、DDパーマーは、そのような牽引は整形外科かオステオパシーで、カイロプラクティックではないと否定していました。A.P.デービスMD,DO,DCは、眼科学とオステオパシーとカイロプラクティックをごちゃ混ぜにしてニューロパシーというものを考案しました。

歴史的に見ても、西洋医学を学んでMDとなった者が、その後にDCの学位を受けても、所詮付け焼刃で本物のカイロプラクターとしての哲学やアジャストの技術を修得したと思われる者は殆ど見当たらず、最終的にカイロプラクティックに別のモノを混ぜて独自の治療法・テクニックとし、医師の社会的地位を利用して執筆や講演などで拡散しては、カイロプラクティックの専門職を混乱させる事が散見されます。

対照的に、BJパーマーは、大学卒でもなく「低学歴」として、MDやBSなどの学位所持者でもあるナショナル系のDCなどから蔑まれることもありましたが、カイロプラクティックの発展者と称されるように、その哲学・科学・芸術の全てを進化させています。BJパーマーは、『エキスポジション オブ オールド ムーブ』という著書で、創成期のカイロプラクター達が導入し、また用いていた様々な矯正法、例えば患者の胸部を手で保持しながら膝で胸椎を押す、木の棒を脊椎にあて木槌で打つ、踵で踏む等の矯正法をカイロプラクティックではない、そして過去の矯正法として分類、写真入りで解説しています。


米国カイロの歴史と潮流その3(105号掲載)

カイロプラクティックの業界内の問題は、その創成期の頃には既に存在していました。DDパーマーの卒業生達が、診療所だけでなく学校も作ってカイロプラクティックをアメリカ各地で教え始めていましたが、創始者のDDからパーマーカイロプラクティック学校(現大学)をBJパーマーが1906年に引き継ぐと、BJの運営方針などに反発した職員らがパーマー学校を辞めて新たな学校を設立しました。その代表が、同年にパーマーを卒業したばかりのジョンFAハワードが創立したナショナルです。

しかし、DD自身も1902年には卒業生のトム・ストーレイがカリフォルニア州サンタバーバラに学校を設立するのを手伝ったり、1907年にDDパーマーカイロプラクティック学校を設立したりするなど、徐々にカイロプラクティック学校は全米に乱立します。1923年にはBJが率いるパーマー学校の学生数は3100人に達しており、総本山として威容を誇っていましたが、同年には全米に50校を超えるカイロ学校があったと言われています。

創成期にはカイロプラクティックの理論も手技もまだ未成熟でした。無免許医療行為などで逮捕されたカイロプラクターの裁判で勝つ為もあり、BJが理論や哲学を発展させ、1909年に世界中の全ての専門職教育機関に先駆けて「X線機器の取り扱い」の公式講座を開始、1924年に温熱検査機器であるニューロカロメーターを導入するなど、科学的に進化させてきました。しかし、カイロの学校が乱立するとその教育内容に著しいレベルの差が生じる結果となりました。

また、学生確保の競争が熾烈化し、本家であるパーマー学校には全米及び海外からも学生が集まりますが、その他の学校は苦戦するようになりました。そのため、カイロプラクティックのレベルだけでパーマーと競合するのは得策でないと判断する所も現れたのです。

そして、創始者DDの、「カイロプラクティックとは、自然の法則に基づく、哲学・科学・芸術であり、不調の原因となる脊柱上の分節を、素手によってのみアジャストをするシステムである」という定義と、「お断りする。私はカイロプラクティックを純粋なまま貴方達に与えた。もし他の治療法と混ぜてしまうと、その独自性(Identity)はすぐに失われてしまう」という言葉を蔑ろにして、ナショナルなどは理学療法を取り入れたのです。


米国カイロの歴史と潮流その2(104号掲載)

(102号より続く)それ以来、表面的には米医師会からのカイロプラクティックへの誹謗中傷は終焉したように見える。しかし、21世紀の今日でも、「薬」を用いないカイロプラクティックの壊滅を願う製薬業界と、製薬業界から経済的支援を受けている医師からのカイロプラクティックへの攻撃は続いている。

その典型的な例が「カイロプラクティックを受けるとストローク(脳卒中)を起こす危険がある」というものだ。この件に関しては、ハルデマンDC・MD・PhDらによるカナダでの大規模研究や同種の研究で「カイロプラクティックによって脳卒中が起こる確率は1千万回に5~10件」や、「脳卒中が起こるリスクはMDの診療後もDCのケアの後も有意差はない」と報告されているにも関わらず、いまだに医師による論文やマスコミの記事などでしばしば目にする。

2000年の米医師会誌にスターフィールドMD・MPHの論文で報告されたように「米国市民の死亡原因の第3位は医師・医療であり、毎年約25万人の患者が医療によって死亡している」ような西洋医学に「カイロプラクティックは危険」などとは言われる筋合いはないのではないかと思う。医師の中にも個人的にはカイロプラクティックに理解があり、自らの健康管理にカイロプラクティックを用いる者もいないわけではない。あるいは、互いに患者を紹介しあう関係を構築することが出来ないわけではない。しかし業界としては所詮異業種であり、同胞ではあり得ないのが現実である。世界人類から戦争や闘争が無くならないように、カイロプラクティック専門職への攻撃は今後も続くのであろう。

しかし、カイロプラクティックの戦いは外敵に対すものだけではない。業界内部の争いは更に根が深い問題として存在している。その原因には、まだカイロプラクティックの哲学や理論などが充分に発展し体系付けられていなかった1897年に、創始者のDDパーマーが学校を創ったこと、初期の頃の生徒には医師(MD)が多かったこと、そしてDDが発行したディプロマ(学位証書)には、ドクター・オブ・カイロプラクティックであることを証すると共に、DDから教わったことと同じことを他に教え、臨床することが出来ると書かれていたこと等がある。それは、カイロプラクティックを全米に普及させる上で必要だったのだろうが、業界内にいずれ起こる問題の火種にもなった。


米国カイロの歴史と潮流その1(102号掲載)

カイロプラクティックは、その創成期の頃から様々な困難や戦いを経験してきた。外部との争いは1906年にDDが「無免許医療行為」で訴えられ、23日間スコット郡刑務所に収監された事で始まった。

世界初のカイロプラクティック団体であるユニバーサルカイロプラクターズ協会の最初の法的闘争は、ウイスコンシン州での1907年の森久保繁太郎DCに対する「無免許オステオパシー行為」による訴訟だった。当時、結果を出して患者からの評判が高かったカイロプラクターに対し、医師達は嫉妬し、カイロプラクティックは医療の一つであり、MDやDOの免許無しで行うことは無免許医療行為であると訴え、カイロプラクターに「無免許医療行為」を認め、罰金を払うことを要求したのだ。

それに対して多くのカイロプラクター達は、「私が行ったものはカイロプラクティックであり、医療(西洋医学やオステオパシー)ではない」と毅然として反論し、罰金の支払いを拒否して刑務所での拘留を選び、専門職を守るために戦った。こういったカイロプラクティックに対する西洋医学からの攻撃に対し、BJパーマーは、カイロプラクティックの哲学・科学・芸術を発展させて体系化し、その理論の違い、教育の違い、臨床の違いといった独自性を証明し、森久保DCの訴訟を始めとする多くの法廷での闘いをカイロプラクティックの勝利へとつなげてきた。

そう、「カイロプラクティックとは、自然の法則に基づく、哲学・科学・芸術であり、不調(疾病)の原因となる脊柱上の分節を、素手によってのみアジャスト(矯正)をするシステム(体系)である」という創始者DDの定義に基づき、それを発展させたBJの哲学がなければ、今日のカイロプラクティックは存在しなかったのだ。もしカイロプラクティックの学校での教育が、解剖学、生理学、病理学、診断学等だけなら、それは医学部の教育と同じであり、独自性がなく存在理由も無いということで裁判に勝てなかっただろう。哲学を教えていたからこそ、MDやDOの教育とは違う独自の教育と認められたのだ。

理論も同様に、神経機能を妨害する脊椎の不整列であり、哲学に基づく、「サブラクセーション」を対象としていたからこそ、そして臨床でもMDやDOが行うマニピュレーションではなく、アジャストメントでサブラクセーションを取り除くことのみを行っていたからこそ裁判で独自性が認められ、無免許医療行為の濡れ衣を着なくて済んだのだ。

カイロプラクティックが西洋医学やオステオパシーとは異なる独自の専門職と認められ、法制化して免許を発行する州が増えてくると、医師と医師会は「カイロプラクティックは非科学的なカルト」などとネガティブキャンペーンを展開して攻撃する戦略へと転換した。それに対しウイルクDCら有志が米医師会(AMA)を相手に訴訟を起こし、1987年8月27日、米国フェデラル裁判所において、スーザン・ゲッゼンダナー裁判官は米医師会に「有罪」の判決を下し、米医師会の全面敗訴となった。

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