Drウエムラの臨床ダイアリー

上村 高史DC・ICCPS



Drウエムラの臨床ダイアリーVol.24(128号掲載)

顎関節症の女性がパーソナルフィットネスジムから紹介

こんにちは!今日は顎の痛み、開口が上手く出来ない患者についてご紹介したいと思います。

年齢は30代前半の女性。パーソナルトレーナーの患者さんからご相談されてご紹介で来院。症状としては右顎が痛くて歯科クリニックに行くが歯には特に問題なし。ちょっと噛み合わせが悪いくらいかなとの診断のようでした。噛み合わせを調整したがその後特に変化なし。

初回に本人に聞いてみると数か月前から硬いものが噛めない、口が大きく開かない、あくびが怖い、上が向きにくいと言った感じでした。食べる時は小さく切ってから食べているようですが硬いものはずっと食べられないとのこと。

普段からPCや携帯による肩こりの症状はあったようです。

特に酷い歯ぎしりや噛みしめの跡もないので歯科医からもそれほど、真剣に思われてない様子でした。

さて先ずはレントゲンをいつものように頸椎、胸椎、骨盤腰椎と検査しました。

カイロプラクティックからの視点として頸椎の湾曲の減少、頸椎の左右の捻じれ、傾き、胸椎の後湾の減少と肩甲骨の左右の高さの差がかなり違っていました。腰椎骨盤に関しては腰椎後湾のカーブの減少と左右骨盤の捻じれと座骨の位置も左右差がありました。

最初は顎関節、口周りの検査はしませんでした。

いつものように頸椎、胸椎、腰椎骨盤のチェック。

レントゲンにも表れていましたが触診、モーションパルペーションで上部頸椎の可動域、斜角筋、胸鎖乳突筋、僧帽筋、肩甲挙筋の左右差が大きく張りの強いこと。

本人は顎にばかり気を取られていて他がどうなっているか気にしていませんでしたが、他の部分がどうかも重要です。

その指摘された箇所を患者さんに先ず認識して貰うことは、ご自身で一つずつ左右の筋肉を触って貰い硬さ、痛みを確認。如何に首が倒しにくいのか?首を前後に倒すことも張りがあり容易ではないようでした。最初に認識して頂かなければ治療過程で良くなると張りが減ったり、痛みがなくなったりで初めの事を忘れてしまうということが通常では良くあります。

痛みがなくなると他の部分が気になるものですから。

肩関節がとても柔軟性があり両腕は上に挙がります。ただ女性に多く見られる肩甲骨を動かさなくても腕の外旋内旋が出来てしまう事。ただ最近の傾向に良くある携帯電話を持って長時間動画を見たり、寝る直前まで携帯電話を寝ながら持って見ている。これも肩腕、手のひらの筋肉が緊張、固まる原因です。

強いてはその動作で肩が張ったり、腕が上がらなくなったり、肩に激痛が走る原因にもなっています。

ご本人もそう言うことが原因で顎が痛くなっているとは思っていませんでしたので、顎を触らない、口を開けないで検査されていたことを、最初は不思議に思ったようですが、なぜの理由をやっと分かって頂けました。

痛みのある個所は確かに大切ですが、そこを最初から触診し過ぎると、他の情報が得にくいことが多くありますので、私の場合は特にセンシティブな場所程、触診や検査は後にしています。

次回は検査過程の詳細を施術まで書こうと思っています。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.23(127号掲載)

交通事故の症例 施術編リハビリ最終段階その2

前回の続きです。

患者さんのリハビリのやる気を起こさせることについて毎週考えて行いました。

こちらも、毎週来院されて何かしら進歩進展していないと、リハビリのやる気がなくなっては困ると感じていたので、色々と厭きないで楽しめるように考えながらやっていました。

アスリートの毎日のリハビリ、トレーニングと同じで、ある程度の回復と自身のやる気がないと、中々短期間で目に見えて納得いくものにはなりません。これはプロ選手を治療する時に、ある意味毎回毎回が良い意味での緊張感があった方が真剣に取り組めます。

前回お話した、コーヒカップを持って自分の口に運び、飲む日常の動作が、身体に対していかに、コーディネーションされているのかを日々研究しました。関節可動域と筋力も、肩・肘・手首・指と重要です。手が震えて中々安定しないことが、最初の段階でしたが徐々にそれが震えず出来るようになって、疼痛なく力が入るようになり、持ち上げる動作がスムースになった時はとても嬉しくなりました。

最終的に大学病院の協力もあり、経過観察を毎月しながら担当医からは驚くほど回復しましたね、と言われるほどになりました。それはそうです、大学病院の検査は多くて1か月に1回の経過診察。人間歩けるようになれば足の回復は早いと感じました。

慢性的な疼痛を回復させるのもそれはもちろん大変ですが、今回のケースのように交通事故で、ほぼ骨折や死亡していてもおかしくない状況において、怪我だけで命を取り留めている方なので、色々な幸運も重なっていると感じています。

コロナで大学病院のリハビリも今まで以上に予約が厳しい環境になったのも、私にとって功を奏した形です。カイロプラクティックのアジャストの大切さと、スポーツ選手に行うようなリハビリが交通事故の患者にも役立ち、自分自身も救われました。

最初はどこまで回復するか未知数なところも正直肩や膝にはありましたが、各専門医の協力も得られてセカンドオピニオンもいただき、1年間も保険会社から治療費が出たので患者も頑張ってリハビリした甲斐がありました。

現在は毎月ゴルフコースにラウンド出来るようになっていますので、こちらとしては最終的に患者の目標が達成出来て良かったと思います。

最後の治療日には、患者さんから日本で取り扱っているイタリアの某高級ブランドの長財布をプレゼントで頂きました。もったいなくて未だ使用出来ず飾ってあります。

現在もまた違う交通事故の患者さんがご紹介で来院されていますが、毎回毎回神経を使うリハビリなので頭が疲れます。それでも良い回復のイメージを持って向き合っていかなければ、この仕事はある意味根気と努力の連続だと思って日々やっています。

自分ひとりで判断出来ない時はもちろんありますので、専門医に検査、セカンドオピニオンを貰い行っていることが良い方向に向かっていると思います。

皆さんも一人で判断出来ない時は自分だけで解決せず、もちろん投げ出すことはあり得ませんので、同業の良い理解者、専門医を含め助言を聞くのも自分の為になると思います。

また、私に相談して頂いても結構です。適材適所検査出来る専門医をご紹介させて頂きます。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.22(126号掲載)

交通事故の症例 施術編リハビリ最終段階その1

前回、毎週のリハビリ、アジャストの続きで、膝に関して腓骨、脛骨が動くようになり上下の筋肉のバランス、脛骨とのアライメントが戻っていくと、膝をフルに屈曲しても、正座のように体重をかけて座ろうと試みるところまでできるようになり、痛みが数か月前に比べて出にくくなりました。もちろん全体重をかけて正座はできません。

痛みゼロには中々ならないのが人体で、正座が正直これほど大変ということを思い知らされたのです。

正座というのは、それだけで上半身の体重を支えるため、膝には負担がかかりますが、怪我をしていると尚更それが認識されます。初めの治療から7~8か月が経過していました。それくらい痛みが出ない、無い状態で普段の生活に戻ることは大変なものです。

ただ毎日の通勤時の歩行、階段の登り、下りは、本人いわく、70~80%は普通になった感じとのことでした。この頃から、自宅の裏山のハイキングをしようと思えるようになり、毎週末歩くようになったことで体力がついてきたことを、実感できているので、家から近いゴルフの打ちっ放しへも行くようになっていました。ラウンドにも行きたかったのですが、まだ傾斜でスイングすると膝に違和感がでたり、翌日腰や肩が不安になるようで、ラウンドでプレーするまでには、もう少し時間がかかりました。

肩に関しては、肩上時に自力で上げてもらう動作を、上腕筋に変な痛みが出ないでできるまでには、膝同様に時間がかかりました。モノを持って手をあげる動作が、いかに大変かも、毎回リハビリで確認しながら、痛みとの闘いで実感されていました。

タクシーに跳ねられて5~6メートル飛ばされ、肩から落ちた衝撃がそれほど大きかったと言えますが、モノを持って持ち上げる動作、例えば、コーヒーカップを自分の手元に持って行く動作が、日常のよくしていることで、このあたり前のそれほど重くないものでさえも、できるまでには時間がかかりました。キッチンで野菜を切る時に手を添えて抑える動作さえ拳上していなくても痛みがありました。

それが膝同様に、毎週の可動域検査、筋刺激、癒着の開放で日に日に変化して、ハイキングなどで何も持たないで歩いていた状態から、リュックサックも持って歩けるようになりました。旦那さんがいつも荷物を持ってハイキングに行かれていたのを間近で見ていて、経過がよく分かっていたようです。

日本はコロナの影響で、リハビリをやる整形外科が減っていますので、整骨院を含めてしっかり治療プランを立てて結果を出していく治療院は、生き残っていくと実感しています。

現状コロナでも、毎週ネットを見て問い合わせは多々ありますので、HPやSEO対策もそれはそれで重要な部分かもしれませんが、実際にご紹介をして頂ける患者さんを増やしていくには、いかに毎回毎回の来院時、的確に必要な箇所を見つけてアジャスト、リハビリをすることかなと思っています。また、患者とのコミュニケーションで治そうと思う意識改革も大事です。今回は治る兆しが見えたのでこの辺りで。次回まで続きます。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.21(125号掲載)

交通事故の症例 施術編後編

今回の怪我は、私が推測するに、膝をタクシーに追突された際、外側からの衝撃で脛骨粗面が、普通は屈曲と同時に外側に回旋して曲がるのに外旋しないで、膝が伸びたまま腓骨と脛骨の両方に当たって追突されたような衝撃と無理な力が横からかかったのではないかと仮説を立てました。

幸い前十字、後十字靭帯の損傷がなかったのですが、内側半月板の損傷があり、膝の屈曲が上手く出来ない原因でした。脛骨のアライメントと半月板周りの瘢痕組織をスムースにするためのアジャストは、アスリートにも有効の施術なので、それを応用しました。

整形外科医にセカンドオピニオンで、3DのMRIと共に膝を診て貰いましたが、PRPをするほど酷くなく、続けて治療やリハビリをしても問題ないと言って貰えました。

肩に関しても、腱板損傷や肩関節周りも同様に、まずは検査で悪い箇所を見つけて、関連個所を含めその関節が動かせるように筋肉、軟部組織の固まった部分に刺激を入れていきました。出来るだけ痛みを感じないようにリハビリ、治療するのが重要です。

理由は、皆さんも触られて痛みが伴うと、筋痙攣や筋萎縮、余分な箇所に力が入ってアプローチしたい場所が改善されないどころか悪くなるケースもあります。最小限の触診とモーションで他動的、自動的に動かせるかがキーです。

カイロプラクティックにおける触診、モーションパルペーションと同様です。

どうしても強く触ってしまう、大きく動作を取らないとわからない先生方がいますが、それは、そのやり方に慣れてしまっているため、最小限の動きやタッチで把握することによって指先が、細かいことまで感知出来るのが通常ですが、それが感じられなくなっていることに実際は気づいていない治療家が多くいます。

特に子供、お年寄り、痛みが強くある方には、最小限からスタートすることが結果として多くのことを教えてくれます。

ある程度慣れてきたら筋肉をストレッチしたり、腱に刺激をいれながら伸ばしたりします。可動域の検査をする際には、前もって今日はどこまで動かせますか?などと言ってからその患者さんと、いくつかの方法で現状よりももう一つ次のステップに行くために、力を入れて抵抗して貰いながらチャレンジしてチェックすることはあります。

それも患者とコミュニケーションが取れていれば可能なことです。

コロナによってリハビリ、治療が出来てない整形外科クリニックも都内は多いです。そのためアジャストに来院される他の患者さんもいますので、毎週の来院はアジャストの方より少し時間を割きつつ与えられた時間内で、可能な限り出来ることはやるようにしています。

時には患者さんからリハビリ中に拷問だ、イジメているという言葉もありますが、顔は笑っていますので大丈夫な証拠です。笑えないと正直楽しくないし毎回毎回頑張れないですね。

この工程を繰り返していくことでその患者の痛みの閾値がわかってきますので、私にとっては検査が良いコミュニケーションになっています。

また患者にとっても、毎週良くなっている自覚があれば、通院することの意味も認識できますし、もっと治そうと頑張ります。そうさせることが回復には重要だと感じています。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.20(124号掲載)

交通事故の症例 施術編前編

前回の、保険会社に治療プランをご説明してから、実際にどのようにして患者さんに施術をしていったかをお話します。

まず、検査でどこに痛みがあってその痛みはどこから来ているのか?機能的に動かして痛みはでないのか?など、最初に、一つ一つ脊椎のレントゲンを両膝含めて撮り、カイロプラクティックで行う検査で頸椎、胸椎、骨盤を温度検査、静的触診、動的触診、筋力、柔軟性チェックしてから、上肢、下肢と見ていきました。特に上肢、下肢に関してはアクティブ、パッシブの両方を、患者さんと動きを確認しながら痛みの程度、制限があるか、ないかを見ながら何回か可能な限り、最小限で検査もしました。

そのプランを、毎回来院されるたび検査、施術、リハビリ、確認を繰り返します。その際に必要であれば、私は超音波、低周波、高周波の物療も使います。

普段から他の患者さんにも使用する、ドクターエアのバイブレーションツールを使用して筋肉、腱、関節への刺激を入れて、弛緩させながら可動域を上げるリハビリにも使用しています。ゴムチューブやサンクトバンド等のバンドで圧迫しながら動かして癒着を取ることもしました。

要は、アスリートを治療する際に起こった外傷治療に似ている所もありますので、その治療経験が役立っています。如何に無理なく早期回復をさせるかということです。

現在の画像診断も凄く発展していて3DのMRIを撮ることも出来ます。アメリカでは10年程前から使用されているものです。

何が優れているかというと、平面よりも立体で見た方が360度各部分の膝であれば大腿骨、半月板、膝蓋骨、脛骨、腓骨の位置、捻じれ、損傷具合が色別されていて現状が良く分かります。通常のMRI平面だと腫れた部分は白く写りますが、どの程度の損傷かは深さがいま一つ細かい場所までは想像しづらいですが、3Dはそれがとてもよく分かります。アライメントを大事にするカイロプラクティックにおいても有効だと思います。

今回、一番難しいと思った治療は膝関節でした。3か月を過ぎる頃には膝は60-70%屈曲出来るようになっていました。歩行も平地はほぼ問題ないレベルです。階段を下りる時だけが少し痛みがあり、手すりを使う感じでした。

しかしながら、最大屈曲をすると膝の中に痛みが出ているので、うつ伏せでお尻にかかとを付けるのは、なかなか容易ではなかったです。ここが面白いと思った所で、MRIではほとんど腫れが見つかっていないにも関わらず、実際は動作に痛みがあることや、出来ないことがある点です。経過観察の時に毎回感じるのは、主治医や担当医は、画像診断だけで判断して保険会社に、現状は痛くても示談のために良くなっていると、診断書を提出することはよくあることです。患者さん目線だと、画像に写っていなくても痛みがあるので治っているとは言えませんよね!

これは、毎回保険会社に説明して、再度主治医に確認してもらっておかないと、そこで治療が打ち切られるケースは多いのです。その後、治療に通えるための示談金を出してくれるところはよいですが、実際に多くの交通事故を治療していくと、いろいろと元通りまでにする難しさは、生身の人間ですので感じるところはあります。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.19(123号掲載)

交通事故の症例 施術に至るまでのやりとり

前回から引き続き、交通事故被害者のお話しです。保険会社から施術許可が出て、交通事故から入院されて4週間経過していました。依然カラダの方は、膝は屈曲60度以上出来ず、膝の内側半月板に痛みが出ます。肘が伸ばしきれずモノを掴むと持ち上げなくても痛い。肩は打撲、皮膚の外傷の痛みもありますが筋肉、関節の損傷、アライメントもバランスが悪い状態で筋力ももちろん低下しています。

先ずは本人の希望、目標を聞きました。返ってきた答えは、普段の生活で鎌倉の裏山を歩きたい、駅などの階段を下りる時の痛みをなくしたい。また以前やっていたゴルフのレッスンとラウンドが出来るようになりたいと言うことでした。松葉づえは恥ずかしいので無理をして普段はゆっくり歩いて、階段は出来るだけさけてエレベーター利用されていました。

いつものように最初はクリニックで頸椎、胸椎、腰椎骨盤のレントゲン検査をして、その後、レントゲン写真と照らして検査をすると、骨盤の左右差がとても大きく明らかに跳ねられていることがみられ、原因は地面にたたきつけられた外傷によるものでした。また膝の外傷は思った以上に酷く、4週間経過したにも関わらず痛みがひいていなかったこと。

膝の腫れはひいても痛みが残っているのは、跳ねられた時の打撲の衝撃が強かったので当然のことですが、その辺はしっかり記載しておかないと、整形外科でも見た目は良くなっていると判断されてしまうので、視診と機能的な痛みや問題は改善されてなく、一致してないことは初回の検査で確認しました。月一回の整形外科での経過観察で、担当医が決まってはいるものの予約時に不在で、他の医師が見るケースがあり初検を知らないと見た目で判断されるケースが多々ありました。

肩の腫れ、青あざは4週間前より少し良くなったものの、日常のコーヒーカップを持って自分の口元に持っていく動作すら痛く関節、筋肉の両方が損傷していました。

まずは自力で上半身からどの程度腕が動かせるか、上がるか、膝がどの程度まで曲げられるかなど、寝た状態、座った状態、立った状態でそれぞれ検査しました。

いくつか気になる点が見つかりました。例えば膝が痛いのは大腿骨? 膝蓋骨? 脛骨?どこからなのか?

膝上は股関節、骨盤に繋がっているし、膝下は足関節に繋がっている。数か月経過しても良くならない原因の一つに、膝を打撲したから、そのクリニック、接骨院では膝しか診ていない。

カイロプラクティックのアジャストをやって来て良かったと思うのは、まずは中枢、脊椎を見る点。ここから枝分かれして上肢、下肢に繋がる。その考えを忘れて、基本が念頭に無い先生は、いくら痛みのある場所だけ見て治療しても良くならないことが起きるのは当然です。

最初の事故から6週間経った時点で彼女は仕事に復帰されていました。普通であればちょっと考えられない状態です。バリバリ働く外資系高級ブランドのキャリアの方で入院中も仕事をしていたようです。

早く仕事に復帰したいという気持ちは分かります。でも一つ大事なことは「治したい」という気持ちが強い人ほど、早期で回復する傾向にあります。

保険会社からは、こちらが予定した治療プラン通りに来院して貰うようにとのことでした。治療プランとして週1回にしました。交通事故のケースですが、週2-3回も治療しても良くならないことは自分が良く分かっているので、保険会社には初めに説明して納得して貰いました。もちろん本人にも伝えて、仕事が忙しくても週1回は時間を作って貰うことに同意して頂けました。動かなければ痛みを忘れる位に集中して仕事をされていましたが、ちょっと立とう、ちょっとモノを取ろうとすると、どこか痛いのに気づくのは治ってないから当然です。もちろん階段なんかは痛くて降りるのが大変でした。

次回はリハビリを含め施術をどうしたのか、お書きしたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.18(122号掲載)

交通事故の症例 施術許可

新型コロナウイルスによってカイロプラクティックも含め接骨院、病院は患者が来院を自粛している傾向にあります。今回お話しする交通事故被害者は、会社復帰を目指し、毎週通院されています。私も東京都の自粛要請以外は、患者の要望で開院しています。他には整形外科のリハビリが退院後には行われないから、リハビリだけお願いできますか?とかの相談を受ける日々を過ごしています。

では前回に引き続き、保険会社はどういうところに紹介し、治療院に許可を出したりしているのか?聞いて見たところ、クリニック、病院側から許可が出ているのが前提、もしくは治療院登録されている医療機関、接骨院、鍼灸院等の治療院が基本とのことでした。もちろん今回のような例外もありうるとのこと。そこには国家資格ではないカイロプラクティック、整体も含まれます。

私の友達の多くの接骨院経営の院長先生からは、下記のことを良く聞きます。

・損害保険会社や整形外科から整骨院に行くなと言われる。

・保険会社から急に支払い打ち切りを言われた。

・保険会社から施術費用の減額を主張された。

国家資格を持っているにも関わらずこのようなことが起きるのはなぜか?疑問に思いませんか?交通事故は、基本的に第三者行為による負傷であり、重篤の方が多い傾向があります。保険会社からいつも言われているので接骨院の先生に言っていることがあります。

①施術の期間、回数、部位数など医師の連携がなければ患者様にとってデメリットでしかありませんがそれを医師と確認していますか?

②保険会社が施術の必要性や期間を認めるには、医師からの同意が前提で施術録などの資料が欠かせません。関係資料を疎かにしていると、保険会社の都合を良くするために上記のように活用される場合もあるので適切な書類整備をしてください。

治療期間と治療内容、リハビリプランを立てて、途中整形外科の経過観察があり、毎月の報告で改善が見られれば保険会社も納得してくれます。

都内ほとんどの大学病院は、入院中の治療、施術、リハビリを行ってくれます。しかし退院すると外来でリハビリは、ほぼしてもらえません。その大きな理由は各大学病院の治療、リハビリスペース、治療するPT、OTなど人数の問題で、それだけ多くの患者を外来で受け入れてもリハビリ出来ないのが現状です。ですから通常はその大学病院の関連病院やその担当医、卒業性が開業しているクリニックへの紹介が通常です。あとは患者がそこに近くても遠くても通って治療を毎週受けることが可能かという問題もあります。同様に治療家の人数の問題でリハビリが接骨院等と同様に5~10分の電気治療やマッサージでいきなり歩行訓練やストレッチのみといったプランでは、まだその域に達してない患者には苦痛でしかありません。

カイロプラクターとしてアジャストだけされている先生方は、交通事故の患者をみる必要がないと思われる方も実際いるかと思います。当然ですね。しかしもし、自分の両親、兄弟、祖父母、子供が同様のことが起こった場合に、どこに治療に連れていきたいですか?病院に行って退院して、困るのはそれからです。近くに紹介してもらえる良い治療院があればいいですがそうでないケースの方が多いのではないでしょうか?

今回のケースは、珍しくいつものように脳外科、整形外科の先生にセカンドオピニオンをお願いして、紹介状を書いてくれないケースでした。その代わりに担当医は某大学病院指定の整形外科に基本定期的に月1回通院して、経過報告をするのであれば、当院のカイロプラクティックの治療を受けてOKと保険会社宛の書類にサインしてくれたのです。当院のHPを担当医が見てくれて判断していただいたとのことでした。私も驚きましたが患者さんも良かったと言われ、その後、労災認定もおりました、仕事に行けない期間でも勤務中の事故、怪我は給料が支払われるということです。

次回は施術についてお話します。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.17(121号掲載)

交通事故の症例 前編

こんにちは。今回は実際に起こった交通事故後の患者の症例を、警察の事故報告書を基に書きたいと思います。 

50代女性の方が、まず事故の内容は、見晴らしの良い横断歩道を青信号で歩行していたにも関わらず、赤信号を無視して走行して来た車に跳ねられ6~7メートル飛ばされました。ノーブレーキで跳ねられ、落下の際に頭、肩、腕から落ちたのですが、幸運に骨折はないものの右足が象の足のように青く腫れあがり、後頭部は10針縫う大けがで、肩、腕も腫れが酷く約4週間の入院で済みました。写真を見せていただきましたが、人間の足がここまで腫れるのを初めてみました。 

運転手はわき見していたため、信号が赤になっていることに気づかず、このような事故が起こったそうです。後に刑事裁判にまでなりました。 

幸いにも某有名大学病院で全ての検査を終えて、入院中に友人へ、早く体調を戻し仕事に復帰したいから病院以外で何か出来ることはないかと相談されていたところ、私の前職の同僚が当院を紹介してくださいました。 

その大学病院からは普通であればカイロプラクティックを紹介するはずはないと思いますし、保険会社では治療の許可が出にくいのです。もちろん日本ではカイロプラクティックには健康保険が利きません。それを考慮した上で、私は大変な事故にあわれた方に毎回伝えているのですが、「あなたの担当医に、私の友人の脳外科医と整形外科医クリニックを指定して受診できるように、セカンドオピニオンとして紹介状を書いてもらってください」とお願いしています。 

その上で脳外科医、整形外科医にカイロプラクティックの有効性を保険会社に説明していただくことで、たいていの交通事故の被害者は保険適応になっています。もちろん保険会社には施術プランと経過報告をし、施術証明書を全て提出しています。 

また患者さんのご自宅付近で良い整形外科、接骨院などがあるようなら、そちらで週2~3回通院して経過をみていただきます。しかしながら、半年も通っているのに改善が見られないという方が多く、私のところに相談、来院されることがあるので、その時は保険会社と話しあって治療プランを作成しています。場合によって交通事故専門の調査会社や弁護士が入る場合もあります。 

要は保険会社も時間が経過しているのに一向に良くならないと言われて、長く病院に行かれるのも困っているのが現状です。 


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.16(120号掲載)

幼少期骨折の症例 後編

その数日後メールを頂きました。C7のアジャスト、これがドンピシャに効果を発揮した様子で、首から肩の張りが気にならなくなったことと、1回目のアジャスト後に自宅に帰ってお風呂で頭を下げて髪の毛を洗う姿勢がとても楽になり、両手の重さが減ったと本人が驚かれたと聞き、私も驚きました。人間の自分自身を治す力は凄いと感じました。

2週間後の2回目の来院は前回の左右向けない首と違い首の全体の可動域も上がっていました。もちろん可動域が上がったとはいえ普通の状態では、まだほど遠く、思ったとおり検査後C7が一番気になりました。今回はC7に軽くセットアップしただけで方向を定めたら軽く押し出そうとして軽くアジャストして動くのがわかり本人の負担も少なく初回の様なビックリもなく済みました。本人も軽いアジャストで動いたことを笑っていました。

この時人間の治癒力、適応力は凄いと感じました。今まで何十年もC1~C3の椎骨が固定されてあまり動きがない状態もあり、両手に痺れも見られていました。それがC7の可動域が向上したのをきっかけに、頚椎から上部胸椎の僧帽筋の筋緊張が取れて、毎日気になっていた肩の張りや痺れも減り、手に持つ力を持続することができるので、重い荷物も持てるようになりました。

今思えばC1・C3をアジャストしようと考えていましたが、結果的にこのケースは、上部頸椎や胸椎をアジャストしなくても良かった例です。C1~C3が一つの椎体になって多少動きが悪い時もありますが、リスク回避の部分もあり現在も触診はして確認しています。ですが、C1~C3にアジャストは一度もしていません。それでも見違えるほど、元気になっていますのでそれも私の励みになっています。

隔週で東京と県外の会社に出張に行く日々ですが、以前に比べて痛みが無く集中力も増し、疲労度合いが全然違うとのことで、現在も本人の希望もあり月に2回メンテナンスに来院されています。

また通院から2年後には結婚相手の彼女も連れて来られ、銀行でのお仕事に趣味のダンスが忙しいので体調管理を同様にお願いされました。

その彼女がアジャストに月1回のペースで来院されるようになり半年が過ぎた頃、その彼から「結婚することになったので結婚式に来て頂けますか?」と、なぜかお二人の結婚式にも招待して頂きました。

それまでほとんどお仕事の話をしたことがなかったので何をされているのか良く分かっていなかったのですが、式場のホテルに着きご家族を紹介され驚きました。お兄様2人が歯科医で開業されており誰も父親の会社を継いでいなかったため、本人が父親の会社を2つも引き継ぐことになったようです。彼は薬学部卒で薬剤師の免許を持つ傍ら、法科大学院にも行って弁護士の資格も取得しようと、弁護士事務所にも勤務していたことを結婚式の際に知りました。本業は、不動産業と車のディーラーを父親から引き継いでいるそうです。皆さんから薬剤師の免許も使って何かしたら、と言われるみたいですが、今はそれどころではなく考えられないほど忙しい様子でした。

結婚式で同じテーブルになった方々と名刺交換し、某県副市長、建設会社社長、税理士法人代表、大学教授などから、いろいろカラダの相談をされているうちに、私も、私の妻も体が悪いので、となりまさか患者さんとして来て頂けることにビックリしています。

家族や大事な方が健康でいられることは当たり前ですが、年を重ねるとどこかに問題が出ますのでこういう場所で相談できることも大事ですね。普通は社交辞令で本当に来院するとは思っていない私ですが、皆さんあちこち行っているが年だからという理由などで一向に良くならないとのことで、検査に来られ患者さんになって頂いています。

カイロプラクターとして仕事をして、式に招待されたことで普段あまり接点がない人たちとこういう形で繋がりができて良い1日でした。PCに向かう座り方のちょっとしたアドバイスや、予防の話をすることが大事だと感じ、今後も身近にいる方に伝えて行きたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.15(119号掲載)

頸椎C1‐C3まで固定された患者さんをその後どうしたのか?気になる先生もいるかと思います。

レントゲンと照らし合わせながらナーボスコープ、触診、モーションパルペーション検査、筋力検査、感覚神経、皮膚の張り検査をして、左右アジャスト出来る角度の可能性を探りながら、動く隙間があるか確認しました。

C1、C3を検査しいくつかの方向にわずかな関節面をみつけ、どちらかをアジャストしたかったのですが、レントゲンを再度確認して流石にリスクを回避しました。もしレントゲンなしでC1やC3をアジャストしている先生がいるとすれば、それはある意味とても怖いことだと思いました。

他に気になった僧帽筋と胸鎖乳突筋の異常は、張りと硬さ、手術による瘢痕組織の硬さ、筋力検査の左右腕、肩の動かし方や可動域検査が不自然で代償作用も大きく感じました。僧帽筋の神経支配には副神経外枝、頚神経叢筋枝の二つがあり運動神経と感覚神経を司っています。脳神経とC2‐C4にアプローチしなくてもその筋肉が動かしやすくなれば改善がみられるのではないかと考えました。

最終的にもう一つ気になる箇所のC6、C7、T1が古傷の傷跡のせいもあり皮膚の可動域、椎体の可動域がとても悪く、本人も違和感があり少し首を倒してもらうと肩から背中まで痛みと重さが出ていました。

最後は、いくつかのパルペーションの方向を探って私はC7のアジャストに絞り、今までほとんど動かしていなかったのでそれは当然全くと言っていいほど、可動域が無かったのです。尚且つ凄い音がアジャストの際に鳴り、本人がビックリするくらいですが何十年も固まっていた人には良くあることです。手ごたえも自分なりに十分感じました。本人の驚きだけでなく笑顔もあったので、良くなるといいですねと言いました。

ただその来院の際、アジャスト後に本人も首が動くようになり僧帽筋、両肩、両腕で可動域は上がり代償作用も減りましたが、まだ首の張りと違和感が少し残っていると言われていました。それはそうですよね、まあそんな簡単に良くなるわけはないので経過を追っていきました。奇跡はそんな簡単には起きるわけではありません。その数日後メールを頂きました。C7のアジャスト、これがドンピシャに効果を発揮した様子で、首から肩の張りが気にならなくなったのと、1回目のアジャスト後に自宅に帰ってお風呂で頭を下げて髪の毛を洗う姿勢がとても楽になり、両手の重さが減ったことに本人が驚かれていました。私も驚きました。人間の自分自身を治す力は凄いと感じました。次回、2回目以降はどのように検査したのかをお伝えしたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.14(118号掲載)

こんにちは!もう8年前になりますが今回お話しする男性の方は3歳の時にソファーから落ちて頭を強打し頚椎C1、C2を骨折しました。幸いにも脊髄損傷は無く麻痺、発育障害もおきませんでした。現在彼は39歳。私のところに来たのは手の痺れ、首の痛みと肩の異常な張りで毎日困っているとのこと。

仕事は基本デスクワークでPCを主に使用されています。出張も多く東京と県外にも会社を持っているそうで隔週で新幹線、飛行機、船などで移動している方でした。

首の痛みで以前から整形外科クリニックに行かれていたようですが、レントゲンを撮って言われたのは、古傷の影響なので痛み止めと湿布の処方でまた1か月後来て下さいと言うことでしたが、1か月経過しても変化なしで首、肩の痛みが続いて眠れず整形外科に再度診察に行ったが痛み止めで経過をみましょうと言われ、このままではダメだと思いご友人の紹介で当院に来られました。

レントゲンを撮ってビックリしたのを覚えていますが頚椎C1、C2が針金で留められていて骨化が進み頚椎C1~C3までの骨が関節の隙間なく一つの骨になっています。腸骨と肩の骨を頚椎に移植されていたので本人からその腸骨部分が痛いと言われたのが分からなかったですが、レントゲンを見て納得しました。採られた腸骨が片方だけ幅が狭く薄く切れています。 当時3歳の幼児でも腸骨を採取されて頚椎に埋め込まれるとはちょっと痛々しい感じでした。その傷ももちろん残っています。腸骨稜部分に痛みが出ているのは成長して大人になっても思ったほど、骨形成の段階で大きくならなかったので筋肉が反対側の臀筋と比較して着いていないのと、手術後の瘢痕組織部分が硬くなって痛みが残っています。

頚椎C1/C2の骨折した部分にその腸骨を入れて固定された期間が長かったのでC1~C3が一つの椎骨になってしまったわけです。触診をしても3個の骨が同時に動いている感覚です。

動物のキリンでもあれだけ首が長いのに一つ一つの頚椎は大きく長いですが7個で形成されています。先日上野にある国立博物館で、動物の本物の骨格が丁度展示してあり確認するために見てきましたが、キリンの頚椎は竹のように長く一つ一つの椎体も他の動物の頚椎の形と明らかに違いました。これは見る価値ありです。

もし関節、椎間板がなければ可動域は勿論狭くなります。この患者さんも上部頚椎3つが一つになっていますので想像通り頚椎の左右差の回旋、屈曲、伸転の全てにおいて通常ではないわけです。ラッキーなのは麻痺等が出ていないこと。

上部頚椎の先生はこういうケースはどうするのかな?って、思ったりもしました。

ただ固定されていてもアジャストの仕方で圧が少なければ、そこにサブラクセーションがあればそこにアプローチ出来るかもしれません。

レントゲン写真は本人に許可をとって記載しています。

もう一つ大きい長い写真はキリンの頚椎です。

次回はその検査後どうしたのか、またその彼の人生にどんな変化が起きたのかお話ししたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.13(117号掲載)

ACL断裂での病院選択

私が整形外科医に再検査のためにご紹介をした患者はこれまで多くいます。

今回はACL(前十字靭帯)断裂についての症例です。

私がアメリカのクリニック勤務時に患者と知り合い、治療や体のトレーニングサポートをして、かれこれ十数年来の親交あるバレリーナから突然電話が来ました。舞台稽古中に片足でジャンプ後、膝からグニュって音がしてから力が入らなくなった。2日目の今は腫れていて膝が曲がらないのでどうしようっていう内容でした。

いつもと明らかに違う感覚なので慌てて電話相談したそうです。

まずはすぐに幾つかXP、MRIを撮ってくれるクリニックを紹介しました。

翌日、クリニックから電話があり、いつも元気な彼女が暗い声でしたので悪い予感が的中でした。MRIの結果はACL(前十字靭帯)断裂でオペをすぐにでもした方が良いと言われたそうです。

ここからが大変でした。普通ならすぐに手術をすれば良いのですが、彼女は当時日本を代表するバレリーナで所属先、芸能事務所、マネジメント会社等へのスケジュール調整でいろいろすぐに時間が作れないでいました。もちろん膝が腫れているので公演、舞台もキャンセルしていましたが、それ以外のインタビュー、雑誌の撮影、ラジオの仕事等、すぐにキャンセルが出来なかったようです。

それよりも手術をする整形外科医を決めるのに時間がかかりました。いつもご紹介している医師はサッカー、ラグビー、アメフト、バレーボール、野球等の選手の膝を専門にしていた先生方が多く、ダンサーやバレリーナの執刀経験が少なかったので、もちろん診察に行きましたがいろいろ意見が分かれました。というのはACLを再建するのにどの脚の腱を使用して再建に持って来るかで、競技によっては予後や選手生命をも左右します。医師が一般的な人を手術する場合と少し考え方が違うのです。

私の友人からバレエダンサー熊川哲也さんの執刀医を紹介していただき、その先生に診てもらい意見も交換しました。

最終的に執刀する先生は、総合的に考えてバレリーナを多く手術していて、尚且つリハビリが十分出来る病院施設を持っていて、そこに良いPTやATスタッフがいる所に決定しました。それが決まるまで2か月半かかりました。まあいろいろなイベントスケジュールもありしょうがない部分もあったのですが、何よりやはり本人が納得して手術をしないとあとからいろいろ出てくるので、条件にあった手術先が決まり、本人も周りもホッとしていて、とても良かったです。

内視鏡手術後の入院中にお見舞いにもいきましたが、思っていた以上に元気で表情が明るかったので、それが一番何よりでした。リハビリも見学させていただきました。とても広い施設で、都内の大学病院ではこの広さとスタッフを揃えるのは難しいのに、民間の総合クリニックでここまでとは当時驚きました。

現在は、少しずつ都内の大学病院でもリハビリ、スポーツ施設を併用したリハ施設が増えつつありますが、患者さんはまだまだどこがベストかを検索するのは大変だと思います。

手術後から少しずつリハビリが始まり、アジャストの許可もすぐいただきました。少しずつ筋力トレーニングも出来るようになりました。バランス、体幹トレーニングもこなして疲労が溜まらないように自宅では、筋肉や腱にEMSや棒状の筒がバイブレーションするストレッチロールも使用してかなり回復も順調でした。やはり目標を持って望むと回復が早いです。

今後もどんな相談が来てもコンシェルジュのように対応出来るようアンテナを張りたいと思います。

そして、執刀経験が少ない競技の患者から相談を受けても即座に対応が出来るように、もっと多くの経験を積んでいきたいです。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.12(116号掲載)

整形外科へ紹介するのに大切な事

患者さんはインターネットで腰痛、頚椎痛、等のキーワードをいれて検索すれば、診断名、治療院も含めて簡単に見つける事は可能です。ただそれがその方の検査、治療、施術するのに正しい治療院、診断かはまた別です。HPはどこも良い事ばかり記載されています。どの治療院、病院もその患者の怪我の詳細や既往歴を含め中々聞き出すことが難しいです。診断名だけ先行しています。

例えば手術歴や骨折等があった方、また古い怪我がある方はその執刀医に聞くことが一番ですがそれは不可能に近いです。要は同じ診断でも人それぞれ骨格、筋肉量が違いますので術後の経過が違い、何年経過しても痛みが残っていることは術後のリハビリ、治療次第で変わってくるのは当然のことだと言えます。

私の場合、通常紹介者以外は電話での相談は時間を取られるので基本メール相談で受付しています。中には長文で細かく詳細を書いて相談される方も毎週います。どうしても電話で話しをしたいのでと留守電に何度もメッセージを残される方もいます。

適切な処置をされていても人それぞれ感じ方が違いますので使用頻度が多いとか、プロであればオーバートレーニング、使い過ぎでの痛みの再発は良くあることです。それでも毎日の生活、毎日のプレーを続けなげればいけないわけです。

前回、膝の手術の話をしたその患者も術後長時間歩いた時は多少痛みがありますが、普段の生活ではほとんど気にならない程度で腫れもなく以前の痛みとは違い順調に回復に向かっています。それは一般の方にはとても大事で痛みで行動を制限されている方、気持ちが低下している方がとても多いのです。誰もが毎日笑って自分のやりたい事をしたいものです。天気、気温によって痛みが出る方もいますが、それは普段のストレッチや軽いトレーニングで補って再発防止をしています。

それでもまだまだ左右下腿の筋力に差がありますので毎週本人に体調をメモしてもらい、気づいたことを書き留めてもらっています。ちょっと長く歩けたとか、階段を下りても痛くないとか、ちょっとした気づきが向上心を生み、幸せ脳への刺激になります。それが本人にも良いようで、良い経過記録が良い記憶に繋がっています。母親が明るくなったと娘さんが言うように家族に笑顔が多く出ます。そういうことをしておけば整形外科での再度診察時にも中々忘れていて思い返すことは難しいですが、経過を説明するのに役立つわけです。

人間ちょっと痛みが無くなると以前の悪い記憶を忘れてしまいがちです。痛みが無くなったから治ったとイコールではないことはご本人にも伝えています。それは施術過程で触診検査、可動域検査、ストレッチ等での筋肉の張りの違いなども本人に体感してもらい、できるだけご自身の身体の痛みと感覚と僕が言っていることを脳がリンクするように行っています。痛みが無くなって直ぐに走り出したくなる方が多いですが、まずはウォーキングから徐々に時間を延ばして、ペースを上げて、ジョギングからランニングに行くことが大事です。それをいくつもハードルを飛ばしてしまうので今までやって来たことが無駄にならないようにペースを制限することも大事です。

術後のリハビリ、アジャストの大切さが患者の回復度合いを見て感じられます。

そして何より患者が自分で治したいと思うようにサポートすることです。患者も除々にリハビリのペースを上げていくことで、自分がちょっとした事でも出来たことに気付き、その結果リハビリへの向上心を生み、幸せ脳への刺激につながるのです。

どの怪我に関しても治療選択の可能性が多々あるので今後も引き続き、どの選択がベストであるか患者と向き合って考えていきたいと思います。

次回は他の症例についてお書きしたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.11(115号掲載)

私は膝に負担がかからないように脊柱のみアジャストをしました。

普段の生活で痛みが出ない範囲で平地でのウォーキングを試していただき毎週経過を報告してもらいました。

浮腫はないが1カ月が経過する前に痛みが変わらないので、再度大学病院の整形外科医に連絡して再検査していただきました。その結果は半月板損傷、オペ適応で剥がれた箇所を内視鏡を使いクリーニングすることの説明を受けて患者も納得し安心したようでオペの選択をしました。

手術後入院は3日だけでその間可能な限りリハビリをしていただきました。

退院後は大抵の大学病院は整形外科のリハビリをしている所は少ないです。

理由は都内の病床数を確保するため、またPT等の先生の人員をできるだけ抑えるため、そして入院患者以外はリハビリスペースの確保が難しいからです。

オペから3週間後に大学病院から紹介された病院でリハビリをしてそれと並行してアジャストを再開しています。結果的に手術は成功して必要な症例でした。しかし膝の手術はしても患者はカイロのアジャストに来院されています。それは膝が悪くなってから身体の傾きが気になり、臀部、背中の痛みが出るようになったからです。左右下腿筋肉のバランスの影響もあります。

リハビリに関しても1回に30~40分と限られた時間内で行っていますので週に1~2回行かれていれば良い方です。患者にとって術後の数カ月から半年の期間にリハビリをするということが、今後の人生においていかに大切かを指導することも必要です。

執刀した整形外科医とは手術で行った詳細と経過また今後の予定を確認しています。

もちろん患者の診察内容を共有する前に患者に許可をいただいて整形外科医から説明を受けています。それが患者にも良いみたいです。大学病院では待ち時間がとても長いのに、診察時間が短く説明を理解するのに1回では分からないことが多いからです。ですから患者への説明や整形外科医に聞きたいことを患者本人にまとめてもらい診察時に聞けるよう事前に用意していただいています。書き方、聞き方についてもアドバイスしています。その診察時間内に答えてもらえないことも多くありますので文章、メールで後日回答させてもらうこともあります。これも医師との信頼関係があるから成り立つことだと言えます。またその執刀した先生、どの方も面倒とは思っていません。患者に理解してもらい治療、説明することが術後の経過を良くします。

インフォームドコンセントと手術前のサインはさせられますが良い病院は術後のフォローアップができている病院とも言えます。手術が終わったらそれで手術は成功しているので痛いのはしょうがないという総合病院や大学病院も実際あります。

患者は難しい専門用語を書かれていても理解することができる方は少ないのでそれぞれ患者の立場にたっての説明というのも大切であると思っています。

日本のカイロプラクティック院ではどれほど検査で異常がみつかり専門医に紹介されているかは分かりませんが、臨床を始めて5~6年経過する位の先生方がまず気をつけないといけないと思います。それは自信がついてきて何でも自分一人で治せる、良くすることができると自信過剰になる傾向にあるからです。

それは大きな間違いです。

それが最終的に患者の施術後の悪化、事故につながる事を再度認識していただきたいです。

これはいつも来院される各専門分野の医師の方々も同じことを言われていましたのでどの世界でも共通かもしれません。また、手術が成功したからもう関係ないではなく、手術後のフォローアップをしっかりと行うこと。この2点が専門医には必要だと思っています。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.10(114号掲載)

私の所にはプロアスリート、バレリーナ、ダンサー、ミュージシャン等様々な方が来院されます。もちろん一般の患者でスポーツをしていてマスターズ大会に出ている方、スポーツをしていなくても肩、膝、股関節、手首等が痛い方も多くいます。どの患者も最良だと思う検査、治療の選択肢を現在はネットで探されています。それがどの専門医に行くかで、その患者の治療も大きく違います。

私が言いたいのは一般的に患者が先に整形外科医を受診して、もし手術をベースに考えている医師であれば、それを第一選択にされる可能性が高いと言うことです。もちろん接骨院、整体院、カイロ院に行って検査もされず治療を受けて悪化しているケースも多いのでこれも大きな問題です。そういうところが多いため、医師からカイロを含め患者を紹介するのを辞める原因になっています。接骨院、カイロ等自体を否定している医師も、まだまだ皆さんが想像している以上に多いです。

私はプロアマ問わず、検査で明らかに怪しい患者はまずMDにご紹介します。紹介状が必要な場合はレントゲン、検査内容を記載して提携クリニックの医師に紹介状を書いていただきます。

最近ほとんどの大学病院は紹介状がないと診察予約を取って貰えません。まずクリニックで紹介状を書いて貰って来て下さいと言われ、患者にとっては時間だけとられ2度手間です。MRI,CT検査に関してもそうですがそれを撮るだけで大学病院だと1,2か月待ちです。それに診察予約も1,2か月待ちは有名な先生では当たり前で、予約を取っても当日予約をしても3,4時間待たされるのが大学病院の現実です。

そういうことを知った上でもちろん紹介していますので事前にMRI,CTは別の提携病院で撮って、画像は大学病院の提携の医師に、画像を撮った病院から直接送って貰います。診察予約も、事前に専門医のスケジュールを聞いて予約して、当日出来るだけ待ち時間がない方法を考えます。もし自分の身内だったらどうするのか?患者の状況を考えての行動を実践しています。それが、自然と理解ある各専門の先生方との繋がりを築くことができたと思っています。

最近の例として膝が痛かった患者で整形外科クリニックでの検査で半月板、前十字靭帯の不安定、損傷の疑いだけで痛み止めだけ処方されたと言う方が来院されました。初回レントゲンと検査で腫れはないが30度屈曲位で外側腓骨の痛みがあり、完全屈曲位が+反応で出来なかったため、前方後方引き出しテスト+、マクマーレーテスト+でしたので膝以外の脊柱をアジャストし、1週間経過観察していただきましたが膝の痛みが変わらない患者がいました。

その後直ぐに7〜8年前からご紹介している大学病院のサッカー日本代表チームドクターの携帯に電話、メールして最短の診察日を聞きました。まず受診して貰い検査結果を待ちました。MRIの結果は外側半月板損傷でした。その医師からは手術するかは経過観察しましょうと連絡が来ました。次回は、その後どうしたかについてお話します。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.9(113号掲載)

皆さん先生方もそうだと思いますが、問診時に筋骨格系の痛みの問題で、どこに行かれましたか?と聞くと「整形外科を受診した」と答える方が多いと思います。中には接骨院に行かれた方もいるでしょう。整形外科では症状を追って治療、投薬していますのでカイロプラクティック(カイロ)とは考え方が全く違います。そのため、整形外科の先生を紹介された時はまずは会います。

色々考えに共通する所もありましたが、施術や治療に関しての話の中で、言われたのが、「アジャストというもので骨なんか動かせない」とか「仙腸関節なんて動かないから」等、MDとカイロとの教育や認識の違いにぶち当たりました。

ご存知の通り整形外科では、まず局所的にある痛みを取り、構造的に悪い箇所を治そうと考えています。そういう教育を受けているのでそれが普通です。

カイロは神経系にアプローチしていますので、構造的というよりは機能的に考えて臨床している事が大切です。構造的に良くなっても、局所的に痛みが無くなっても、無理なく動かす事が出来なければ日常生活に支障が出ます。もちろんカイロにおいても臨床家はまず、如何に痛みが無く起きてから寝ている間まで日常生活が送れるかを考えなければいけません。

やはり解剖学、生理学の教育基本は同じとは言え、カイロプラクティックと整形外科の教育では根本的にフィロソフィー、教育の観点が違います。Above side down inside outの考え方と違い、痛みがある箇所は飲み薬等で服用する、麻酔、神経根ブロック、ヒアルロン酸等の注射を入れて痛みを取る、切除、固定して構造的に変えるなど、考えれば考えるほど同じクリニックで一緒には共存共栄して仕事するのは難しいと感じました。

私はMDの行っている事を否定している訳ではありません。理解ある整形外科医とも連携して仕事させて頂いています。それだけ必要なケースがあるからです。

今回は整形外科クリニックについて記載しましたがその他に内科、産婦人科、脳神経外科、総合クリニックにも見学に行きました。

現在でも理解ある整形外科医と提携して患者の状態を共有しています。それはどういう事か? 次回はそれについてお話ししたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.8(112号掲載)

シンガポールサッカーリーグでの症例。前回もお話ししました試合中に相手の肘打ちが顎に入ったケース。口が自分で少しも開けられない程酷い状態でした。この時も美容整形外科医と口腔外科医のどちらがベストか議論になりましたが、歯列破損も大きく顎関節の縫合では著名な口腔外科医のプレゼンテーションに美容整形外科医が納得してくれて何かあれば全面協力すると言っていただき、口腔外科医にお願いしたケースでした。下顎の両方が折れたケースはとても珍しく手術後の入院中で初めのうちは針金で上下を固定されて口が開かず流動食のみだったことで選手のストレスはとても大きかったです。

私自身も毎日病室に行き体調を確認しました。結局手術後、顎が完全に治るまでに2か月かかり、その後もう1か月リハビリ、グランドで走る、蹴るトレーニングをして、練習に合流出来るまでにしました。その間医療用高密度酸素カプセルにも毎週入りました。

そのような酷い怪我でしたが、その後本人の頑張りとトレーニングの成果の向上で、毎試合良いパフォーマンスを発揮し、オールスターに選出される選手にまでなってくれました。トレーナーとして怪我から復帰して数か月経ってホッとしたことを覚えています。そのオールスターには同チームから4人も選出され、私もオールスターチームトレーナーの一人として選出いただきました。お祭りのような雰囲気なので他チームの選手同士仲が良く、普段見る事がない光景でした。

その酷い怪我をした選手も6年前に結婚式に招待してくれて、今は将来の選手育成の為にJリーグでコーチになっています。当時の各選手がJリーグの色々な地域から来ていましたので、現在私が出張で他府県に行く度に再会し、選手達とも繋りがあり、その時の治療選択は間違っていなかったと、今でも思っています。シンガポール以外にも現在アメリカ、オーストラリア、インド、タイ、インドネシア、ドイツで活躍している選手からもセカンドオピニオンとして治療の選択、画像のメールが届いたり、怪我をした国で治療するのが良いのか?日本で治療する方がベストなのか?も相談される事が多くあります。

当時お世話になっていたシンガポールの各専門医、アンチドーピング協会の会長の整形外科医とも交流が続いており、とてもありがたいです。またシンガポール人選手やその医師の患者でカイロプラクティックが必要な場合はお願いされてシンガポールへ行くこともあります。当時は必至でしたが今でも良い関係を築けて嬉しく思います。そういう経験があったので日本に帰国したらどうしようか?と考えた時にアメリカやシンガポールでのことと同じことがしたいと思い現在に至っていると思います。

こちらは余談ですが、以前カイロタイムズで掲載した酸素カプセルの記事で、国内企業様からご連絡をいただき、最新酸素カプセルを体験させていただきました。その際に他の企業様とも繋がることができました。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.7(111号掲載)

カイロプラクティックと併用して最新医療をどう取り入れているのか?今回は良く聞く医療用高密度酸素カプセル(以下、医酸カプセル)です。

日本でもベッカムカプセルと言われて名前だけ先行していますが同様のカプセルは日本では数少なく病院にあるだけで、多くの治療院に置いてあるのはそれをもう少し小型化した酸素濃度が低いものだと思います。価格もアメリカなどで入って、1台最低2000万位はします。慣れれば快適で終わった後カラダの筋肉、関節に酸素が入っているのが感じられます。

普段中々緩んでパキパキ音がする事がない胸鎖関節、肩鎖関節、肘関節、股関節などに酸素が入る事により筋肉の柔軟性が向上し、ガスの抜けるパキパキ弾けるような音がします。これが気持良いのですが初めての時はビックリしました。そして骨折、靭帯損傷で早期回復した選手で、2週間で骨折が治ったケースもありました。

肉離れなどの筋膜の損傷にも大いに役立ちMRIの治療前後の画像が全く違いました。選手からも治っていく感覚が感じられると自然と自分で出来る事を考えるようになりポジティブに毎日過ごしてくれるようになりました。これが凄く大事でそう言う思考になれば回復のスピードがとても速くなります。

レンタルチーム先からも毎週のミーティングで選手が良くなって行けば信頼もされますし、日本で治療しなくて今後他の選手も怪我をした場合にシンガポールでも大丈夫と安心してくれる訳です。

しかしながら、ここまでの信頼を得るまで最初は凄く大変でした。というのは最悪なケースが2つもあったからです。

一つ目は、試合中に相手の故意による酷い肘打ちが顎に入り2カ所骨折したケース。

二つ目は、練習中に一人のDF選手の顔にFWの選手の頭がヘディングで横から入り顔が三分の一潰れたケースの二つでした。

一つ目のケースは後にチームがビデオを送りAFC(アジアサッカー連盟)の会議でも劣悪なファウルのサンプルとされ協会から相手選手には5試合の出場停止処分が下り、シーズン中の3か月は選手生命にも関わりました。

二つ目のケースは眼底、頬骨の3か所骨折で人間の顔が潰れたのを生で初めて見ました。各専門医に連絡してベストな選択をお願いしました。まず行ったことは、潰れた頬骨と眼底を引っ張って球体の顔の形に戻す事でした。3DのCTを撮ると潰れた部分が良く分かり、張りぼてをつなぎ合わせる様な感じで治療を行いました。これはシンガポールで一番の美容整形外科医に執刀して貰い、手術から1か月後の腫れがひいた状態は怪我をどこにしたのかほとんど分からない顔にまで戻り驚きました。手術後は担当医の許可を貰いカイロプラクティックのアジャストは毎週しました。医療用高密度酸素カプセルも退院後許可が出て行い顔面神経障害の回復にも役立ちました。現在はJリーグで活躍していますのであの時の話をすると懐かしく感じますが、本人はあの時のホラーのような顔写真はみたくないようです。今後も選手の為に、ベストを尽くします。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.6(110号掲載)

前回最新医療を取り入れる訳についてお書きした中で、カイロプラクティックと併用して最新医療をどう取り入れているのか?というご質問を受けました。

カイロプラクターとしては、プロサッカーチーム等のトレーナーとしての役割があり、カイロプラクティックでアジャストするという事は当然一つあります。しかし骨折、靭帯損傷、肉離れには直ぐに治せないのは皆さんもご存知だと思います。そこでどう早くそれを治すかを考えたわけです。マッサージやテーピング等の仕事も、トレーナーが多くいれば分担する事が出来ますが、いなければ一人が抱える役割も増えます。

当時Jリーグのアルビレックス新潟はプロトレーナーが4名いましたが、SリーグのシンガポールのアルビSには学生ばかりの4名のトレーナーを、出来ないのが前提で、スタートしていました。やはり学校で学んでいる事と現場経験ではかなり差がありました。テーピング一つ取っても一人の選手を巻く時間・完成度は、学生4名全て違いました。当初は私自身かなりイライラしていましたが、自分の勉強だと思ってある程度は見守っていました。

私がまず彼らに伝えたことは、「下手でも良いから丁寧に尚且つ一人にかける時間に違いが出ないように確実にテーピングをして欲しい。」と伝えました。急げばテープを無駄にするだけだからです。テーピングをする目的は足首の靭帯が緩すぎる選手の固定、サポート、予防が目的です。

テーピングが嫌いな選手もいますのでそう言う選手にはバンテージで代用したり、全く巻くのが嫌いな選手は練習後に足首の柔軟性、筋力、バランス性能を上げる課題を出してチューブ、ゴルフボール等を使ってリハビリ、トレーニングさせました。

日本と違い芝生が深く足を取られやすく、グラウンドによってはデコボコの試合もありました。想像以上に足裏、脹脛、ハムストリング、臀筋が疲労します。

見栄えがするからとテレビ中継の試合は全て人口芝の硬いグラウンドで行われ後半になると足が弦ような選手が続出したケースも初めはありました。現在と違い短い芝はコンクリートの上でサッカーをやっている感じです。確かにテレビ映えはしますが、選手の事は全く考えられていません。ラマダンにあたる月は、イスラム教徒は日の出前から日没まで一切の飲食を禁止されるため、その宗派の選手を考慮して試合のスタートが20時以降になっている事もありました。もちろんそういう宗派の選手のパフォーマンスは低下します。

骨折した選手でも骨折部分は最新医療を取り入れスパイン、上肢下肢はカイロプラクティックでアジャストするという事でリハビリから復帰後には良いパフォーマンスに繋がりました。その経験は私の財産になっています。現在も当時の選手が治療の相談に来てくれるのは嬉しいです。

当時は毎日やる事が多々あり色々と考えて日々ストレスを感じ、サッカーを楽しむ事は出来ませんでした。それがシーズンの現実と言う事も知り良い経験でした。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.5(109号掲載)

ご存知の方も多いかと思いますが、骨折、靭帯損傷した場合、治療期間は、複雑骨折や靭帯断裂の手術が無い場合で4週間~2ヵ月が固定です。しかし、プロ選手の場合は1ヵ月何もしないでトレーニングに戻るとカラダを元に戻すのに、その倍以上かかります。その例として骨折の場合は、PRP療法と高密度酸素カプセルの専門医で治療することをおすすめします。PRP療法は日本でも話題になり、NYヤンキース田中投手が肘の治療で使用していました。自分の血液を抜いて血小板を取り出し培養して患部に注射する治療法で、切開手術せず骨折、靭帯損傷に効果があります。日本では症例数が少なく保険適応外で、専門医も少ないのが現状です。

シンガポールの専門医はアジアではナンバー1の整形外科医で、PRP療法をいち早く取り入れ、アメリカ、イギリス、ドイツでは研究発表も行われています。シンガポールアンチドーピング協会会長も兼任されています。多くのシンガポール整形外科医と会った中で意気投合したのは、切開手術をせず、早期回復で治そうと考えていたからだと思います。この整形外科医は、ESWTショックウエーブ(SW)の専門医です。SWは、靭帯損傷、足底腱膜炎等の靭帯、腱板の怪我に有効な治療です。これは、本来腎臓結石などを粉砕するのに使用していた音波治療を靭帯、腱板専用に作り替えたスポーツ選手が多く取り入れている音波治療法です。チクチク痛いですが、効果は超音波や高周波などよりも劇的に良くなります。私も肩の腱板損傷を治療して、肩の痛みが数日で嘘のように激減しました。

超音波で画像診断も並行して確認しながら行うので炎症部分の経過、靭帯損傷部分が治癒して来ているのが良く分かりました。足首骨折の場合、骨折は酸素カプセルで早期完治に成功しました。しかし、一番治療を悩ませたのは、足首の靭帯剥離、損傷をしているケースが多かったことです。そこでもSWには大変助けてもらいました。

一例として、骨折をした選手でレントゲンではもう問題ないとDrから言われ、ランニングを始めようと、まずはウォーキングで何日かチェックしていると足首の痛みが中々取れないという声が選手からありました。腫れはないが何かおかしい。骨折時のレントゲン、MRIとその1ヵ月間の比較をお願いすると、靭帯が腓骨から剥離したままの選手に限って痛みが残っているケースが多いことに気づきました。更に超音波画像も見ながら確認出来ることで、その後の治療が、回復に繋がっていくことでPRP療法やSWの選択は間違っていなかったと感じることができました。

その時の経験で、骨折でも整形外科医だけでなく、歯科医、口腔外科医、美容整形外科医、高密度酸素カプセル専門医、SW、PRP専門医などと協力して骨折の選手の早期回復にチームで取り組むことができ、全て良い結果と復帰に繋がりました。このプロスポーツ選手の経験が現在も日本は基より、海外で紹介出来る医師がいることは、患者さんにとって手術前のリスク回避へと繋がっています。 

次回は、高密度酸素カプセルについてお話したいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.4(108号掲載)

Jリーグアルビレックス新潟から派遣され、シンガポールアルビレックス新潟(アルビS)の出来事をお話したいと思います。

シーズン前後のトレーニングから足首、顔面、眼底、頬骨、肋骨等の骨折、半月板損傷というケガで一時は25人中8人ものケガ人が続出して、紅白戦が出来ないチーム事情がありました。その時の経験が現在の臨床とリハビリの重要性に繋がっています。

一般の患者であれば脊柱、上肢下肢をアジャストして時間が解決してくれる事も時間があれば可能です。しかしプロの場合は、シーズン日程も決まっているのでそうはいきません。当時私がいたアルビSは選手の半分以上、各Jチームからのレンタルの若手選手で毎週レンタル先のチーム統括部長、チームドクターに報告義務がありメールや電話で怪我の報告をしていました。特に骨折、半月板、靭帯損傷の程度が酷い場合はレンタル先と協議してシンガポールに残って治療をするのか、日本に帰ってそのチームで治療に専念するのかを選択しなければならなかったからです。一人一人将来ある大事な選手ですので最良の選択が必要だからです。アルビレックス新潟の強化部長、シンガポールでの監督からも毎日のように「いつ治せるの?」と質問責めにあい見通しが立たない選手はいないものの治るのに時間がかかりそうな選手が増えた時は僕自身寝る時間なく選手の為に駆け回っていましたので毎週点滴を打ってチームの練習、治療、病院での治療通訳などがあり、シーズン中の休みはほぼゼロでした。

選手は英語が出来ないので入院中も言っている意味がわからない、食事がまずい等文句タラタラ。順調に回復していればいいのですが、そうでない選手はメンタル的に落ちこんで戦意喪失状態でした。

そういう事をある程度想定はしていましたので、シーズン前の段階でシンガポールのベスト3と言われる各専門医に会いに行き、もし怪我で選手の治療が必要な時は直ぐにお願い出来るか、一人一人確認して貰っていました。どの専門医もベストと言われるだけあって腕も人間的にも素晴らしいDr達でした。医療技術、病院のランクも世界でもトップ50に入る病院がシンガポールにはあります。残念ながら日本は一つも入っていないのです。やはり最新医療機器のあるないだけでなく手術症例数、病院の広さ、病床数、英語での対応可、入院中の食事の種類など、様々な事が加味されてのランキングです。

実際シンガポールのサッカーリーグはあたりが激しいのと酷いファールが多いのでケガの多さもあって、整形外科医だけでなく、内科医、皮膚科医、眼科医、歯科医、口腔外科医、美容整形外科医、高密度酸素カプセル専門医、ショックウエーブ(ESWT)、PRP療法(自己多血小板血漿療法)専門医などと協力して骨折、靭帯損傷の選手の早期回復に医療チームで取り組みました。次回はどの様に選手に使用したかをお話し出来ればと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.3(107号掲載)

今回は、いくつか質問を頂いたのでそれについてお応えしたいと思います。

質問の中で、「アメリカにいる時にどんな経緯でサッカーを教える事になったのか」、「協会やJリーグでの選手のサポートを行うキッカケ」などの質問をメールにて頂きました。

アメリカサンノゼ、サンマテオにある岡井先生のクリニックで勤務していた時、休みのほとんどをサンノゼのサッカーチームで小中学生を対象にボランティアでサッカーを教えていました。そのキッカケをくれたのが、サッカーをやっていた患者さんなのです。サッカーをやっていた友達が、怪我をしてクリニックで治療中に「サッカー経験があるのなら、一緒にやりませんか?」と誘ってくれたのです。とても嬉しいお誘いでしたので直ぐに「やります!」と言ってその週末からコーチボランティアを始めました。練習が終わった後は、高校生以上の学生と大人でチームを作り、紅白戦を毎回やっていました。

「怪我をしたら、私が勤務しているクリニックで受診されるといいので皆さんご相談ください」と初日に言っていましたので、何か怪我の相談があれば、いつでも受けていました。そのチームには、アメリカ企業に勤務の方や日本企業に赴任中の方、アメリカで多角経営している社長やアメリカの理学療法士のライセンス取得をしている方など、色々な日本人がいました。アメリカサッカー協会や日本サッカー協会の方もいて、その方からアメリカに来た日本代表選手やJリーグチームのサポートを依頼されて、ご一緒する事が多くなったのです。私自身、小学生の時から大学までサッカーをしていました。一時期はかなり酷い腰痛に悩まされたので、治療をするしないに限らず出来る範囲で身体とメンタルのサポートを選手の為にいつも行っていました。それが少しずつ信頼へと繋がっていったと思います。

幸いアメリカ女子サッカーリーグの優勝チームのサポートもすることになり、アメリカ、ブラジル、ドイツ、メキシコ、日本代表の女子選手がそのチームにいましたので、シーズン中は毎週末試合に帯同してテーピングやアップ、ストレッチ、試合後のダウンまでを担当し、とても良い経験をさせて頂きました。当時の選手は現在、アメリカの各州立大学の強豪校の監督やアメリカ女子代表のU-18 、U-20の代表コーチ、監督になっていて引退後もサッカーへ関わっていますのでその事も嬉しいですし、アメリカが国籍を問わずそういう形で仕事が出来る環境であるのは代表が強くなる要因だとも思っています。そのコーチが育てた選手が日本のなでしこリーグに加入するケースもありましたので世間は狭いですね。

2004年アテネオリンピックの代表選考前に岡井先生が十種競技のアメリカ代表候補選手のサポートドクターにも選ばれ、練習前後のケアをする事にも恵まれました。ただ代表候補選手の合宿場所までサンノゼから片道3時間程運転して行っていましたので、帰りはさすがに疲労で眠くなり交代してフラフラしながら運転していたのを覚えています。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.2(106号掲載)

前回のダイアリーでカイロプラクティック(以下、カイロ)に理解ある専門医は、どの分野であるのか?というので終わっていたと思います。どの専門医だと皆さんは思いましたか?

答えがあるのかと言われれば、私の中ではありました。ただその答えを分かって頂く為に私の経験や事例をお話して、皆さんにも考えて頂きたいと思います。まず、私が現在のアジャスト、施術において基礎になっている事はパーマー大学で勉強したモノです。

卒業後、アメリカのサンノゼ、サンマテオで開業されているDr岡井健氏、アメリカのトーランスで開業している叔父のDr上村晃司氏の所でインターン、アシスタントをした中で保険の書き方、患者、スタッフとの接し方、クリニックを運営するマネジメント能力、地域との繋がり、他の専門医との繋がり、ボランティア活動の大切さ、アスリートの治療等数えきれない程の事を短期間で経験しました。その中でトラブル時の対応についても何回も経験しました。

その経験が役に立ったのが、Jリーグアルビレックス新潟またはシンガポールリーグアルビレック新潟Sのトレーナー時代です。ご存知の方も多いかと思いますが、Jリーグチームトレーナーの殆どが柔道整復師、鍼灸師、按摩マッサージ師、理学療法士です。アスレティックトレーナーもATCではなく、日本体育協会公認アスレティックトレーナーの方でした。カイロプラクターはいませんでした。現在もそうだと思います。

私の場合は、アメリカでサッカー協会の方と子供を教えていたのが縁で、Jリーグの遠征の手伝いやアメリカ代表選手のサポートをさせて頂きました。

日本へ一時帰国をした際、サッカー協会の方に紹介され、7チーム程の面接・見学機会を頂けました。どのJリーグチームも年間を通して相当な数の選手が怪我をします。

基本的な構図は、まず怪我をした選手はチームドクターの整形外科医が検査をします。骨折、断裂等がなければグランドに復帰するまでトレーナーの役割です。チームのトレーナーは、走る・蹴る事が出来る段階まで治療やリハビリをする事が一番の仕事です。グラウンドを全力で走れる段階でフィジカルコーチに任せます。練習前後の治療は勿論トレーナーが行います。

面接段階でどのチーム強化部長もカイロプラクティックの事は知らない方ばかりでした。それよりも怪我の予防と治療で早期回復に繋がれば、お願いしたいという解答のチームがほとんどでした。全てのチームから良い印象で、私は当時J2から上がって間もないアルビレックス新潟と契約する事になりました。決め手となったのは、地方のチームで現場と本社が地域一体となって、上を目指していたからです。

また、運良くシンガポールの設立間もないチームで、英語を生かしてチームのトレーナーを教育して欲しいと言われ、ヘッドトレーナーも任せて頂きました。

次回はその時の出来事についてお話ししたいと思います。


Drウエムラの臨床ダイアリーVol.1(105号掲載)

こんにちは。ウエムラカイロプラクティックオフィスのDrウエムラです。私の院には、大学病院やクリニックの医師からの紹介の方が多く来院されます。今回はそれについて、どのような患者が来院され、また、なぜ当院に紹介して頂いているのかについてお話していきたいと思います。

そのためにはまず、私の臨床におけるレントゲンの位置づけから始めなければなりません。私にとってレントゲン学は、米国パーマー大学の学生時代からスポーツ傷害と同じ位勉強している分野です。

米国のカイロプラクティック(以下カイロ)大学を卒業したDCの中には帰国後、レントゲンを撮らずに患者をアジャストしている方が多いと思います。日本国内では自身でレントゲンが撮れないのも理由の一つでしょうが、私のように、医師と提携している先生方もいますので理由にはならないかと思います。また、カイロのテクニックによって必要ないと考える臨床家もいますが、それは違うと思います。検査の段階で出来るだけ必要な情報はあった方が後々自分の助けとなります。私の臨床について言えば、奇形や手術後の患者の紹介も多いからです。

静止画の2Dのレントゲンでは情報に限りがあって意味が無いという意見もありますが、それは見ていないから分からないだけで、毎回全ての患者に撮っていると見えてくるものがたくさんあります。私もガンステッドテクニックにも使用するライン引きも使いますが、そのリスティングが全てを決めるわけではありません。

 私は初回検査で以下のことを行います。①問診②視診③レントゲン・MRI画像等④触診⑤整形外科検査⑥モーションパルペーション⑦皮膚の温度チェック⑧体の可動域検査。初診時だけでなく再診時にも行い、アジャスト前に、もし問題が見つかればその専門分野のクリニック、大学病院の医師に送ります。これは日本のJリーグ、シンガポールのプロサッカーチームにトレーナーとして在籍していた時も同様に行っていました。

 私は帰国後、米国、シンガポールでの臨床と同じようにやって行こうと思い、提携先を探すため、病院やクリニックを20か所程見学しました。私が訪問したのは、整形外科、内科、産婦人科、メンタルクリニック、消火器内科、脳神経外科です。皆さんはどの分野の専門医がカイロに理解があると思いますか?次回はそれをお話ししたいと思います。

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